ラ・グアイラ州

ラ・グアイラ州は、ベネズエラの中北部、カリブ海に面した場所に位置する州です。首都カラカスのすぐ北に位置し、海岸地方を占めています。この州はバルガス市という一つの市町村のみで構成されており、州都もバルガス市内のラ・グアイラに置かれています。面積は1496.5平方キロメートル、2016年6月30日時点での人口は36万9555人となっています。

歴史

かつてはバルガス州として知られていましたが、ベネズエラ初の文民大統領であるホセ・マリア・バルガスにちなんで名付けられました。2019年6月6日、州議会は州名をラ・グアイラ州に変更する憲法改正案を可決し、同年6月14日に正式に公布されました。

1998年4月22日、バルガス領域として首都地区から分離・成立し、同年12月31日に州へ昇格しました。しかし、1999年12月には、記録的な豪雨が原因で大規模な鉄砲水と土石流が発生し、1万人以上の犠牲者を出すという悲劇に見舞われました（バルガスの悲劇）。

地理

ラ・グアイラ州は、北にカリブ海を臨み、東西に細長い形状をしています。州の南部はアビラ山を抱えるカリベ山脈（コスタ山脈とも呼ばれる）となっています。西はマヤ川を隔ててアラグア州と、東はチュスパ川を隔ててミランダ州と接しています。南側の境界は、東側でミランダ州、西側で首都地区と接しています。

山が海岸近くまで迫っているため、平地は限られています。降水量が多く、カリベ山脈から多くの急な川が海へと流れています。この地形が、1999年の大水害を引き起こした要因の一つとされています。州の東西には多くの美しい浜辺があり、中央部の海岸にはカラカスの外港であるラグアイラ港と、シモン・ボリバル国際空港（マイケティア国際空港）があります。

産業

主要な産業は農業と漁業ですが、州の中央部には工場も立地しています。空港周辺にはホテルが多く、都市部から離れた東西の浜辺はリゾート地として人気があります。

元々は連邦地区に属するバルガス市でしたが、1998年の法律により独立した州となりました。バルガス市はそのまま存続し、管轄範囲を同じくする州政府と市役所が並立しています。

交通

カラカスの北に位置するラグアイラは、16世紀からカラカスの外港として発展してきました。その西隣には、ベネズエラの主要な国際空港であるシモン・ボリバル国際空港（マイケティア国際空港）があります。カラカスとラグアイラを結ぶ主要な道路として、カラカス・ラグアイラ自動車道が利用されています。かつてはラグアイラとカラカスの間には鉄道が通っていましたが、現在は廃止されています。また、海岸沿いには道路が整備されています。

政治

現在の州知事はホセ・アレハンドロ・テラン氏で、2021年から務めています。

市町村と区

ラ・グアイラ州はバルガス市の下に、以下の11の区を抱えています。

エル・フンコ区
カラバジェーダ区
カラヤカ区
カルロス・ソウブレーテ区
カルアーオ区
カティア・ラ・マール区
ナイグアター区
マクート区
マイケティア区
ラウル・レオーニ区
* ラ・グアイラ区

ラ・グアイラ州は、その美しい海岸線、歴史的な港、そしてカラカスへのアクセスの良さから、観光地としても重要な役割を果たしています。

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