ラ・バングアルディア

スペインを代表する日刊紙『ラ・バングアルディア』：歴史と変遷

『ラ・バングアルディア』(La Vanguardia) は、スペイン・バルセロナに本社を置く老舗の日刊新聞です。カタルーニャ語で「前衛」を意味するこの新聞は、1881年の創刊以来、スペインの歴史と深く関わりながら、今日まで発行を続けています。

創刊からフランコ体制へ

1881年2月1日、バルセロナで創刊された当初は『ディアリオ・デ・ロス・ポリティコス・デ・アビソス・イ・ノティシアス』（発表と情報のための政治的新聞）という名称で、リベラル党の機関紙として発行されました。しかし、1887年末にはリベラル党との関係を解消し、1888年1月1日、現在の名称である『ラ・バングアルディア』に変更。政治的に独立した立場を明確にし、朝刊と夕刊の発行を開始しました。

スペイン内戦後のフランコ独裁政権下では、政権のイデオロギーに沿った報道を行い、一時的に紙名に「エスパニョーラ」(Española) を冠していました。この時代、『ABC』とともにスペインを代表する二大日刊紙として君臨しました。

民主化と発行部数

1970年代、民主化の進展とともに、検閲の撤廃や表現の自由が拡大。この時代、『ラ・バングアルディア』はスペインで最も発行部数の多い新聞となり、発行部数は20万部を超えました。しかし、1980年代には『エル・パイス』の発行部数の増加により首位の座を明け渡しますが、それでもスペインを代表する主要紙として、高い発行部数を維持し続けました。1999年には、『エル・パイス』『ABC』『エル・ムンド』に次ぐ第4位の発行部数を誇りました。

紙面とデザイン

『ラ・バングアルディア』は、長らくベルリナー判で発行されていましたが、2007年にはタブロイド判へと変更。1994年には、新聞デザインの国際的な団体であるSociety for News Design(SND)から「世界最高のデザインを持つ新聞」として表彰されるなど、デザイン面にも高い評価を受けています。

多言語化と主要執筆陣

2011年5月3日からは、スペイン語版に加え、カタルーニャ語版の発行を開始。カタルーニャ州で最も読まれている新聞として、地域社会に深く根差した情報を提供しています。

『ラ・バングアルディア』には、フリア・ギリャモン、キム・モンソー、フェルナンド・クラン、セルジ・パミエス、ピラール・ラオラ、シャビエル・サラ＝イ＝マルティンなど、著名な作家、ジャーナリスト、経済学者らが執筆陣として名を連ねています。彼らの論評やコラムは、新聞の読み応えを高める重要な要素となっています。

ゴドー家とグルポ・ゴドー

『ラ・バングアルディア』は、ゴドー家によって設立され、現在もグルポ・ゴドー(Grupo Godó)の一員として運営されています。ゴドー家の長年の経営によって、同紙は時代を超えてその地位を保ち続けてきました。

まとめ

『ラ・バングアルディア』は、1881年の創刊以来、スペインの歴史の大きな転換期を幾度も経験し、発行部数の変遷やデザインの革新、そして多言語化など、常に変化を遂げながら、スペイン、そしてカタルーニャ州を代表する新聞として今日にいたっています。その歴史と伝統、そして多様な執筆陣による質の高い報道は、今後も多くの人々に読み継がれることでしょう。

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