ラ・ピラート

ラ・ピラート (1984年の映画)

『ラ・ピラート』（フランス語: La Pirate）は、ジャック・ドワイヨン監督による1984年製作のフランス映画です。「女海賊」「略奪する女」という意味を持つタイトルが示すように、内容はスキャンダラスで、公開当時大きな話題を呼びました。

概要

1984年5月11日、第37回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で初上映されました。しかし、その内容は観客に衝撃を与えました。人妻を略奪する女性、ヒステリックな夫婦を演じる兄妹、そして未成年者の少女の扱いなど、倫理的に問題視される要素が多く、映画祭の雰囲気にはそぐわないとしてブーイングを浴び、受賞には至りませんでした。

しかし、フランス国内での公開後、作品に対する評価は一変します。翌1985年の第10回セザール賞では、ジェーン・バーキンが主演女優賞、マルーシュカ・デートメルスが助演女優賞にノミネートされ、ロール・マルサックが有望若手女優賞を受賞しました。特に、パトリス・シェローはジェーン・バーキンの演技に感銘を受け、自身の舞台作品に彼女を起用したことは有名なエピソードです。

日本での公開

日本では、1984年に池袋西武スタジオ200で開催されたフランス映画祭で、無字幕かつヌードシーンが修正された状態で特別上映されました。不完全な状態での上映でしたが、カルト的な人気を博します。その後、商事がセールス会社のパッケージ買いの一つとして本作を購入。ビデオ・スルーになる可能性もありましたが、俳優座シネマテンが配給権を獲得し、1989年10月28日にヌードシーンを大幅に修正した上でレイト公開されました。

2002年3月25日には、紀伊國屋書店から世界初のDVDが発売されました。フランスでは、ジェーン・バーキンとジャック・ドワイヨンのコンビ作品のDVD化は進んでいなかったため、貴重なリリースとなりました。しかし、契約期間が終了し、2011年10月にはPALスピードアップの新素材で再発売されています。

スタッフ

製作総指揮: オリヴィエ・ロルサック
監督・脚本: ジャック・ドワイヨン
撮影監督: ブリュノ・ニュイッテン
録音: ドミニク・エヌカン、ジャン＝クロード・ロルー
編集: ノエル・ボワソン
音楽: フィリップ・サルド
日本語字幕: 寺尾次郎

キャスト

ジェーン・バーキン - アルマ
マルーシュカ・デートメルス - キャロル
フィリップ・レオタール - ナンバー5
アンドリュー・バーキン - アンドリュー、アルマの夫
ロール・マルサック - 子ども
マイケル スティーヴンズ - ホテルのコンシェルジュ
ディディエ・シャンブラーニュ - 使い走り
アルセーヌ・アルトメイェ - タクシー運転手

まとめ

『ラ・ピラート』は、公開当時、その過激な内容から賛否両論を巻き起こした作品です。しかし、出演者の演技は高く評価され、後の映画界に大きな影響を与えました。日本での公開やDVD化の経緯など、様々な話題に事欠かない作品であり、今なお多くのファンを魅了し続けています。

外部リンク

La pirate - BiFi (フランス語)
ラ・ピラート - allcinema
ラ・ピラート - KINENOTE
La Pirate - オールムービー
La Pirate - IMDb

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