ラ・ミラン

韓国の女優、ラ・ミラン（라미란、1975年3月6日生）。

1995年にソウル芸術大学演劇科を卒業し、演劇の基礎を学んだ後、2005年にパク・チャヌク監督の映画『親切なクムジャさん』で映画デビューを果たした。長年、舞台俳優として活動していた経験を持つ。

デビュー以降、彼女は映画、テレビドラマを中心に精力的に活動を展開。特に助演としての出演が多く、その卓越した演技力と個性的な存在感で、作品に深みとリアリティを与えてきた。様々なジャンルの作品で幅広い役柄を演じ分け、『国際市場で逢いましょう』、『ヒマラヤ〜地上8,000メートルの絆〜』といったヒット映画では、主人公を支える力強いキャラクターや、人間味あふれる役柄を演じ、多くの観客の記憶に残った。

テレビドラマでは、長寿シリーズとなった『ブッとびヨンエさん』シリーズに複数シーズンにわたって出演し、ユニークなキャラクターでシリーズを彩った。また、2015年の人気ドラマ『恋のスケッチ〜応答せよ1988〜』では、おおらかな母親役を演じ、その温かい演技が共感を呼び、「国民の母親」と称されるほどの人気を獲得した。他にも、『僕らが出会った奇跡』、『良くも、悪くも、だって母親』など、数多くの話題作に出演している。

彼女の演技の幅は非常に広く、コミカルな役から深刻な役、そして人間味あふれる等身大の女性まで、多様なキャラクターに命を吹き込む。その安定した演技力は高く評価されており、多くの監督や共演者から信頼を得ている。

助演として確固たる地位を築いた後、ラ・ミランは主演としてもその才能を発揮し始めた。特に、2020年公開の映画『正直政治家 チュ・サンスク（正直な候補）』では、嘘しかつけなくなった国会議員という難役を演じ、第41回青龍映画賞で主演女優賞を受賞するという快挙を成し遂げた。これは、長年にわたる彼女の努力と実力が正当に評価された瞬間と言えるだろう。その後も『内科パク院長』、『良くも、悪くも、だって母親』、『市民捜査官ドッキ（市民ドクヒ）』などで主演を務め、作品を牽引する存在となっている。

映画やドラマ以外でも、彼女は多彩な才能を見せている。ミュージカルの舞台にも多数出演し、その歌唱力と表現力で観客を魅了してきた。また、バラエティ番組では親しみやすくユーモア溢れる素顔を見せ、多くの視聴者から愛されている。女性プロジェクトグループUnniesのメンバーとして音楽活動を行った経験もある。

これまでのキャリアの中で、ラ・ミランは数々の栄誉に輝いている。主な受賞歴には以下がある。

2013年：第34回 青龍映画賞 助演女優賞（『ソウォン/願い|ソウォン_願い』）
2016年：MAX MOVIE 最高映画賞 最高助演女優賞（『ヒマラヤ〜地上8,000メートルの絆〜』）
2016年：第53回大鐘賞映画祭 助演女優賞（『ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女』）
2017年：韓国大衆文化芸術賞 文化体育観光部長官表彰
* 2021年：第41回青龍映画賞 主演女優賞（『正直な候補』）

現在、C-JeSエンターテインメントに所属し、精力的な活動を続けているラ・ミラン。親しみやすいキャラクターから強烈な個性を持つ役まで、自在に演じ分ける「カメレオン」のような女優として、韓国エンターテインメント界で確固たる地位を築いている。今後も彼女がどのような新たな役柄に挑戦し、観客を魅了していくのか、期待は高まるばかりである。

もう一度検索