リジェ・JS23

リジェJS23：1984年シーズンの苦闘

1984年、リジェチームはミッシェル・ポイジョンとクロード・ギャロパンが設計した新型マシン、リジェJS23でF1世界選手権に挑みました。前年、チームにとって初めてとなる無得点という屈辱を味わったリジェにとって、JS23はターニングポイントとなるべく、初めてターボエンジンを搭載したマシンとして開発されました。心臓部には、強力なルノー製V型6気筒ターボエンジンEF4が搭載され、大きな期待が寄せられていました。

ドライバーには、ベテランのアンドレア・デ・チェザリスと、フレッシュな若手フランソワ・エスノーが起用されました。デ・チェザリスは経験と実績を活かし、チームを牽引する役割を担いました。一方、エスノーはF1デビューシーズンということもあり、経験を積むことが大きな課題となりました。

しかし、シーズンは期待とは裏腹に、苦戦の連続でした。ルノー製ターボエンジンの潜在能力は高く、速さを見せる場面もありましたが、信頼性の低さが大きな問題となりました。エンジントラブルによるリタイアが実に19回にも及び、マシンの戦闘力を十分に発揮することができませんでした。

デ・チェザリスは第2戦南アフリカGPと第4戦サンマリノGPで入賞を果たし、それぞれポイントを獲得しました。最高位は5位で、持ち前のドライビングスキルで幾度となく厳しい状況を乗り越えましたが、上位進出には至りませんでした。一方、エスノーは最高位7位という結果に終わり、ポイントを獲得することはできませんでした。

シーズンを通して、JS23は速さを見せる場面もありましたが、信頼性の問題が足を引っ張る結果となり、コンストラクターズランキングは9位と低迷を余儀なくされました。デ・チェザリスはドライバーズランキング16位、エスノーはポイントを獲得できずランキング圏外という結果に終わりました。

JS23のスペック

シャーシ: JS23
タイヤ: ミシュラン
エンジン: ルノーEF4 (V型6気筒ターボ、90度、1500cc)
燃料・潤滑油: Elf

JS23と1984年シーズンの結果

リジェJS23は、潜在能力は高くとも信頼性の問題を抱えたマシンでした。その結果、1984年シーズンはチームにとって厳しいものとなりました。しかし、この経験は、将来の更なる発展のための貴重な教訓となったことは間違いありません。翌シーズン以降、リジェチームはJS23で得た経験を活かし、更なる技術革新を進めていくことになります。

参考文献
Ligier JS23 at Chicane F1
Ligier JS23 at the Formula One DataBase

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