リジェ・JS27

リジェ・JS27：1986年シーズンの活躍と苦悩

1986年、リジェチームはミッシェル・テツが設計した新型マシン、リジェ・JS27でF1世界選手権に挑みました。前年モデルであるJS25をベースに開発されたJS27は、ルノー製のターボエンジンとピレリタイヤを装備。シーズン開幕戦では、ジャック・ラフィットが3位、ルネ・アルヌーが4位と好スタートを切り、チームは明るい兆しを見せました。

前半戦では、両ドライバーが安定した走りでポイントを獲得し続けました。しかし、第9戦イギリスグランプリでラフィットが負傷。惜しくも、最多出場記録更新を目前に引退を余儀なくされる事態となりました。

ラフィットの負傷離脱は、チームにとって大きな痛手となりました。彼の代役として、フィリップ・アリオーがF1に復帰。アリオーは持ち前の経験とテクニックでチームに貢献しましたが、マシンの開発が中盤以降停滞したことで、思うような成績を残すことができませんでした。

JS27は、シーズンを通して開発が遅れたことが大きな課題となりました。そのため、入賞圏外に沈むレースも多く、期待されたほどの活躍はできませんでした。それでも、最終的に12回もの入賞を果たし、コンストラクターズランキングでは5位という健闘を見せました。これはルノーエンジンを搭載するチームの中では、ロータスに次ぐ好成績でした。

ドライバーズランキングでは、アルヌーとラフィットがそれぞれ8位にランクイン。アリオーは18位という結果に終わりましたが、シーズンを通してチームに貢献したことは間違いありません。

リジェ・JS27は、潜在能力の高さを持ちながらも、開発の遅れやドライバーの負傷離脱など、いくつかの困難に見舞われたシーズンとなりました。それでも、最終的にコンストラクターズランキング5位という結果を残し、チームの力強さを示しました。このマシンは、1986年シーズンのF1を彩った一台として、記憶に刻まれています。

スペック

シャーシ: JS27
タイヤ: ピレリ
エンジン: ルノーEF15B/EF15C (V型6気筒ターボ、90度、1,500cc)
燃料・潤滑油: エルフ

F1における全成績

コンストラクターズランキング：5位
ドライバーズランキング：
ルネ・アルヌー：8位
ジャック・ラフィット：8位
* フィリップ・アリオー：18位

このマシンに関するより詳細な情報は、Chicane F1やFormula One DataBaseなどのウェブサイトで確認できます。

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