リチャード・エッジカム (初代エッジカム男爵)

初代エッジカム男爵リチャード・エッジカムの生涯と政治的背景

リチャード・エッジカム（1680年4月23日 – 1758年11月22日）は、18世紀のイギリスにおいて重要な役割を果たした政治家です。彼は1701年から1742年まで庶民院議員を務め、その後エッジカム男爵に叙されました。

生い立ちと教育

リチャードは、サー・リチャード・エッジカムとアン・モンタギュー（初代サンドウィッチ伯爵エドワード・モンタギューの娘）の間に生まれました。彼は1697年5月25日にケンブリッジ大学トリニティ・カレッジに入学し、1698年にM.A.の学位を取得しています。

政治家としてのキャリア

1701年6月、リチャードはコーンウォール選挙区の補欠選挙で当選し、政界への足がかりを築きました。その後、セント・ジャーマンズ選挙区、プリンプトン・アール選挙区と選挙区を移りながら、庶民院議員としての地位を確立しました。1734年にはプリンプトン・アール選挙区とロストウィシアル選挙区で同時に当選し、ロストウィシアル選挙区の議員として議席を選びました。1741年には再びプリンプトン・アール選挙区から選出されています。

1742年、リチャードはエッジカム男爵に叙され、貴族院に移ることになりました。

役職と政治的立場

リチャードは、1716年から1717年、および1720年から1724年の2度にわたり下級大蔵卿を務めました。1724年から1742年まではアイルランド大蔵卿、1742年12月からはランカスター公領大臣を務めています。彼はホイッグ党のサー・ロバート・ウォルポール首相を常に支持し、総選挙では与党側としてコーンウォールの選挙区を担当しました。

1742年の叙爵の背景には、ウォルポールが政府機密費を選挙経費に流用した疑惑をめぐり、リチャードの口封じを図る意図があったとも言われています。また、1734年にはイギリスとアイルランドの枢密顧問官に任命され、1734年から1737年まで錫鉱区長官を務めました。

死去と遺産

リチャードは1758年11月22日に亡くなり、爵位は息子のリチャードが継承しました。しかし、リチャードは1761年に未婚のまま死去したため、弟のジョージが爵位を継承しました。アメリカのノースカロライナ州にあるエッジコム郡は、初代エッジカム男爵リチャード・エッジカムにちなんで名付けられました。

家族

リチャードは1715年3月12日に、初代準男爵サー・ヘンリー・ファーニーズの娘マティルダと結婚しました。夫妻の間には3人の息子が生まれましたが、1人が夭折しています。

リチャード（1716年 – 1761年） - 第2代エッジカム男爵
ジョージ（1720年 – 1795年） - 第3代エッジカム男爵、1781年にマウント・エッジカム子爵に叙爵、1789年にマウント・エッジカム伯爵に叙爵

リチャード・エッジカムは、政治家として、また地元の名士として、その名を歴史に刻んでいます。

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