リチャード・ド・ビーチャム (第13代ウォリック伯)

リチャード・ド・ビーチャム：第13代ウォリック伯爵、その生涯と功績

リチャード・ド・ビーチャム（1382年 - 1439年）は、中世イングランドを代表する貴族、軍人です。第13代ウォリック伯爵として、百年戦争においてイングランド軍の指揮官を務め、その戦略手腕と政治力で歴史に名を刻みました。

生い立ちと爵位継承

1382年、リチャードは第12代ウォリック伯爵トマス・ド・ビーチャムの長男として誕生しました。1399年にはヘンリー4世の戴冠式でバス騎士団に叙任され、1401年に父の死を受けてウォリック伯爵位を継承。広大な領地と2度の結婚を通じて、その地位を確固たるものとしました。

軍事的な活躍

リチャードはランカスター王家のために、数々の戦場で活躍しました。1403年のシュルーズベリーの戦いではヘンリー・パーシー軍を破り、ウェールズでのオワイン・グリンドゥール討伐にも参加。その武勇は広く知れ渡りました。百年戦争が再開されると、ヘンリー5世に従ってフランスに出陣し、数々の勝利を収めました。1420年のトロワ条約締結にも大きく貢献しています。

ジャンヌ・ダルクとの関係

リチャードとジャンヌ・ダルクの関係は、歴史の中で特筆される点です。1428年から始まったオルレアン包囲戦は失敗に終わったものの、ジャンヌ捕虜後、リチャードはルーアンの総督として彼女を監視下に置きました。ジャンヌがブーヴルイユ城で囚人として扱われた背景には、リチャードの意向があったことは想像に難くありません。

ヘンリー6世の教育係

リチャードは軍事的な才能だけでなく、教育者としての側面も持っていました。1428年には、幼いヘンリー6世の教育係に任命され、王の成長を支えました。1437年にはノルマンディー及びフランスの総督に任命されましたが、1439年にルーアンで死去。その遺体はイングランドへと運ばれ、ウォリックの教会に埋葬されました。

栄典と家族

リチャードはウォリック伯爵位の他に、バス騎士団とガーター騎士団のナイトの称号も授与されています。結婚を通じて、広大な領地と財産を手にしました。最初のエリザベス・ド・バークリーとの間には三女を、後のイザベル・ル・ディスペンサーとの間には一男一女を儲けました。息子ヘンリーは後にウォリック公に昇叙されましたが、若くして亡くなり、ウォリック伯位はリチャード・ネヴィルへと引き継がれていきました。

後世への影響

リチャード・ド・ビーチャムは、百年戦争という激動の時代を生き抜き、イングランドの歴史に大きな足跡を残しました。軍人、政治家、教育者として多岐にわたる才能を発揮し、その生涯は後世に語り継がれています。

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