リック・アンキール

リチャード・アレクサンダー・アンキール

リチャード・アレクサンダー・アンキール（Richard Alexander Ankiel）は、1979年7月19日にフロリダ州フォートピアースに生まれたプロ野球選手で、左投左打の投手としてのキャリアをスタートしました。その後、イップスの影響で制球が難しくなり、外野手に転向することとなります。彼のメジャーリーグにおける記録は、投手としての10勝と打者としての70本塁打という両方の分野での成功を収めたものであり、これはベーブ・ルース以来の特異な成績として評価されています。

経歴

プロ入り前

アンキールはポート・セントルーシー高校に進学し、そこで華々しい成績を収めました。特に1997年には、防御率0.47、11勝1敗、162奪三振という驚異的な数字を記録し、ノーヒットノーランを3回達成するなど、高校球界でも圧倒的な存在感を示しました。これにより全米最優秀高校野球選手に選出され、「高校球界No.1のサウスポー」とうたわれました。

プロ入りとカージナルス時代

その才能に惚れ込んだセントルイス・カージナルスが1997年のドラフトで彼を指名し、契約金250万ドルという当時の新人選手の中でも最高額での契約を結びました。1998年、1999年と順調に成長し、特に1999年にはメジャーに昇格。しかし、2000年はケント・ボッテンフィールドとのローテーション入れ替えもあり、開幕から先発として起用されました。そのシーズンでは11勝を挙げ、新人王投票でも2位に食い込みました。

しかし、2000年のプレーオフでは、アトランタ・ブレーブスとの試合で突然の乱調に見舞われ、多くの暴投を犯してしまいます。このことが彼のイップスの発症につながるとも言われています。以後、アンキールはコントロール不良に悩むことになります。

外野手への転向

2005年3月、投手としてのキャリアの限界を感じたアンキールは外野手への転向を発表しました。AAとAAAでの経験を経て、2007年にメジャーへ復帰し、外野手として82試合に出場して32本塁打を打ち、明るい未来を感じさせるパフォーマンスを見せました。しかし、彼のキャリアはこの後も波乱に満ちており、ドーピング疑惑も浮上しましたが、アンキールは証拠不十分で無罪を勝ち取ります。

引退と現役復帰計画

2014年に現役を引退したアンキールは、2018年には現役復帰を目指して投手としてのトレーニングを再開しました。しかし、肘の手術後、その計画は断念に至りました。

プレースタイル

アンキールは元々はリーグ屈指の強肩を誇る外野手であり、打撃においてはパワーはあるものの確実性に欠けるタイプでした。投手時代には11勝を挙げ、その実力は当時のチームにも大きく寄与していました。

彼のキャリアは、投手から外野手への転身を遂げたユニークなものであり、苦難を経て多様な役割を果たしたことが特徴です。アンキールの経験は、スポーツにおける不屈の精神を象徴しており、多くのファンにとって記憶に残る選手となっています。

詳細情報

• - 年度別打撃成績
• - 年度別投手成績

記録

• - MiLB オールスター・フューチャーズゲーム選出 1回：1999年

参考資料

• - Rick Ankiel Timeline - MLB - ESPN.com
• - Rick Ankiel's wild times - NYDailyNews.com

関連項目

• - メジャーリーグベースボールの選手一覧

外部リンク

• - 選手の通算成績と情報: MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube
• - Rick Ankiel stats MiLB.com
• - Rick Ankiel Online at the Wayback Machine - 公式ウェブサイト

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