リック・ショート

リチャード・ライアン・ショート（Richard Ryan "Rick" Short）

リチャード・ライアン・ショート、通称リック・ショートは、1972年12月6日生まれで、アメリカ合衆国イリノイ州ケーン郡エルジン出身の元プロ野球選手です。彼は外野手及び内野手としてプレーし、その後は野球指導者としても活躍しています。現在はメジャーリーグベースボール（MLB）のアリゾナ・ダイヤモンドバックスで打撃コーチを務めており、選手としてのキャリアを経て指導者としての地位を築いています。

経歴

アメリカ球界時代（第1次）

リックは1994年のMLBドラフトにおいて、ボルチモア・オリオールズから33巡目（全体923位）の指名を受けてプロ入りしました。その後、多くの年をマイナーリーグで過ごし特に2000年にはAAA級ロチェスター・レッドウイングスで打率.331を記録しましたが、メジャー昇格には至りませんでした。2002年にはアナハイム・エンゼルス傘下のAAA級ソルトレイク・スティンガーズにおいて打率.356を達成し、彼の打撃センスが注目されましたが、メジャーの舞台には立てませんでした。

ロッテ時代

2003年、ショートは千葉ロッテマリーンズに入団し、1年目に127試合に出場し、打率.303と素晴らしい成績を残しました。しかし、長打が少なく、ダブルプレーにより、シーズン後に自由契約となりました。登録名は「ショート」でしたが、ポジションと紛らわしかったため、「リック・ショート」としてファンからも呼ばれていました。同年のオールスターでは、遊撃手部門で票を獲得し、その名が広まりました。

アメリカ球界時代（第2次）

その後、リックは2004年にカンザスシティ・ロイヤルズ傘下でプレーし、2005年にはワシントン・ナショナルズに昇格しました。32歳でのMLB初昇格を果たし、デビュー直後に適時打を放ちましたが、すぐにマイナーに降格されました。彼はAAA級ニューオーリンズで打率.383という好成績を残し、シーズン後には「オフェンシブ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」として表彰されました。

楽天時代

2006年に東北楽天ゴールデンイーグルスに加入。最初は「ショート」という登録名でしたが、すぐに「リック」に改名しました。彼は高い出塁率と多彩な打順に適応する柔軟性を示し、最終打率は.314でチーム内1位、パリーグでも3位の成績を記録。2008年には打率.332、12本塁打を挙げ、外国人選手としては最初の首位打者に輝くなど、日本での名声を高めました。入団後、体を絞り打撃を改善し、更には2007年には打率首位を争うまでの成績を収めましたが、痛めた足により途中離脱も余儀なくされました。

引退後

彼は2010年からアリゾナ・ダイヤモンドバックスのスカウトとして活動し、2019年からは打撃コーチとして指導にあたりました。2021年にはダイヤモンドバックスの打撃コーチに昇格し、その指導力が評価されています。

選手としての特徴

リック・ショートは真面目で温厚な性格を持つ選手でした。彼の打撃スタイルはミート重視で変化球への対応も優れ、特に左投手に強いことで知られています。また、内野と外野を守った経験を活かし、様々なポジションでユーティリティープレイヤーとして活躍しました。彼は決して豪快な本塁打を打つタイプではありませんでしたが、鋭いライナー性の打球を飛ばすことで、二塁打を多く記録しました。

成績とタイトル

彼は2008年にNPBの首位打者、また同年に外野手部門のベストナインを受賞するなど、数々の記録を残しました。彼のキャリアは、卓越した打撃センスとチームへの貢献により、長く記憶に残ることとなりました。

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