リッチー・モウンガ

リッチー・モウンガ

ニュージーランドが誇るラグビーユニオンのトッププレイヤー、リッチー・モウンガ（Richie Mo'unga）は、1994年5月25日にクライストチャーチで生まれました。主にスタンドオフ（SO）としてプレーし、フルバック（FB）でもその能力を発揮する多才な選手です。身長176cm、体重83kgとラグビー選手としては決して大柄ではありませんが、それを補って余りある高度なラグビースキル、戦術眼、そして冷静沈着な判断力を兼ね備えています。

ニュージーランドでのキャリア

地元のカンタベリーでキャリアを積んだ後、2016年にスーパーラグビーの強豪クルセイダーズに加入しました。クルセイダーズではすぐに中心選手としての地位を確立し、チームの数々のタイトル獲得に大きく貢献。その卓越したパフォーマンスは、ニュージーランド国内だけでなく、世界のラグビーファンに強い印象を与えました。

彼の才能はニュージーランド代表、通称「オールブラックス」の首脳陣の目にも留まり、2017年に初めて代表メンバーに招集されました。以来、オールブラックスの司令塔として不動の地位を築き、2023年12月現在で56キャップを獲得しています。また、ニュージーランド代表だけでなく、招待選手による名門チームであるバーバリアンズにも選出された経験があります。

ラグビーワールドカップでの活躍

モウンガは、世界最高峰の舞台であるラグビーワールドカップに二度出場しています。2019年大会では、オールブラックスのゲームメーカーとして5試合に出場し、54得点を記録、1トライも挙げる活躍を見せました。続く2023年大会では、決勝戦を含む全7試合に先発出場し、チームの攻撃を牽引。この大会でも56得点、1トライをマークし、ニュージーランドの決勝進出に大きく貢献しました。

日本での新たな挑戦

長年ニュージーランドラグビー界をリードしてきたモウンガは、2023年にキャリアの大きな転換期を迎えました。ニュージーランド協会との契約を終了し、日本のジャパンラグビーリーグワンに所属する東芝ブレイブルーパス東京への加入を決断したのです。この移籍は、オールブラックスとしてプレーする可能性に区切りをつけ、日本で新たなラグビー人生をスタートさせることを意味しました。2023年12月9日に行われたリーグワンの開幕節、静岡ブルーレヴズ戦で先発出場し、日本での公式戦デビューを果たしました。

リーグワン2023-24シーズンの輝き

東芝ブレイブルーパス東京の一員として迎えたジャパンラグビーリーグワン2023-24シーズン、リッチー・モウンガはその実力を遺憾なく発揮しました。正確無比なキック、相手防御を切り裂くラン、そして巧みなパスワークでチームの攻撃を組み立て、東芝ブレイブルーパス東京を14シーズンぶりとなるリーグ優勝へと導きました。彼のシーズンを通した圧倒的なパフォーマンスは高く評価され、DIVISION 1における「MVP（最優秀選手）」と「プレーヤー・オブ・ザ・シーズン」という主要な個人賞をダブル受賞。さらに、スタンドオフとして「ベストフィフティーン」にも選出され、日本のラグビーファンにそのワールドクラスのプレーを見せつけました。

リッチー・モウンガは、現代ラグビーにおいて最も影響力のある選手の一人として、これからも国内外で注目される存在であり続けるでしょう。

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