リッチ郡 (ユタ州)

リッチ郡（リッチぐん）

リッチ郡は、アメリカ合衆国ユタ州の北部に位置し、自然の美しさと独特の歴史を持つ地域です。2010年の国勢調査によれば、この郡の人口は2,264人で、2000年の1,961人から15.5%の増加が見られました。郡庁所在地のランドルフ市は人口464人と小規模で、ガーデンシティが郡で最も人口の多い町（562人）となっています。実際、郡内にはそこそこの規模の町がわずか5つしかありません。リッチ郡はユタ州で3番目に人口の少ない郡であり、1868年の設立から今日に至るまで、その静謐な環境を保ち続けてきました。

歴史

リッチ郡となった地域は1811年にトラッパーのジョセフ・ミラーによって発見され、以後、ヨーロッパ人が訪れるようになりました。1827年にはベア湖の南岸でトラッパーたちの会合が行われ、この伝統は現在まで続いています。この会合が開かれる場所は今もベア湖州立公園の一部として保護されています。最初の恒久的な開拓地は1863年に設立されたラウンドバレーであり、レイクタウンの南西に位置しましたが、現在はゴーストタウンとなっています。郡庁所在地のランドルフは1870年に設立され、リッチ郡は1868年に設立されました。現在の郡域は1872年に確定しました。

地理

リッチ郡は、国勢調査局によって1,086平方マイル（約2,810平方キロメートル）の広さを持つとされています。この面積のうち、陸地は1,029平方マイル（約2,670平方キロメートル）、水域は58平方マイル（約150平方キロメートル）であり、水域の割合はおよそ5.32%です。郡内にはベア川によって形成されたベア川バレーがあり、これは郡の中央部を占めています。ここには農業が盛んなランドルフとウッドラフという町があります。

高地にあるため、冬は非常に寒く、夏は比較的温暖です。ウッドラフではかつて-50°F（約-46°C）を記録したこともあります。夏には90°F（約32°C）を超えることは稀です。また、晩秋から春にかけて豊富な降雪があり、冬の間は雪が地面に残ります。

ベア湖バレーはベア川の豊かな湖と周囲の山々で包まれています。この湖は透明度の高さと美しい湖岸で知られています。ベア川山脈は西端にあり、ローガンキャニオンがガーデンシティの西側に広がっています。この地域は観光地としても魅力的で、特にベア湖の南岸にはレイクタウンがあります。

隣接する郡

リッチ郡は、アイダホ州のベアレイク郡、ワイオミング州のリンカーン郡およびユインタ郡、南のサミット郡、南西のモーガン郡、ウィーバー郡、キャッシュ郡西部と隣接しています。

交通

交通手段として、アメリカ国道89号線が郡内を通り、ガーデンシティを経由してアイダホ州へ進む重要なアクセス路となっています。また、ユタ州道30号線はガーデンシティから南へ向かい、レイクタウンを通過してワイオミング州境に至ります。冬季には、一部の道路が積雪により閉鎖されることがありますが、リッチ郡はその自然環境と歴史的背景から、訪れる人々にとって魅力的な場所となっています。

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