リップルアイランド

『リップルアイランド』は、1988年1月23日にサンソフト（サン電子）から発売されたファミリーコンピュータ用コマンド選択式アドベンチャーゲームです。

概要

当初はファミコンディスクシステム用ソフトとして企画され、『皇帝の闇』というタイトルでしたが、ファミリーコンピュータ向けにリリースされました。ほのぼのとした絵柄とストーリー、ヒロイン「キャル」をはじめとする魅力的なキャラクターが人気を集めました。

ゲームはアイコン選択式アドベンチャーで、「みる」「とる」「はいる」「たたく」「おす」などのコマンドを選択し、カーソルで対象物を指示します。一見可愛らしい見た目とは裏腹に、ヒントなしに森を彷徨い木の実を見つける必要があるなど、難易度は高めです。

エンディングは4種類存在し、ゲロゲールを倒す前に到達するものと、ゲロゲール撃破後の冒険内容と選択によって変化する3種類があります。「真のエンディング」ではスタッフロールが流れます。

2002年にはプレイステーション用ソフト『メモリアル☆シリーズ サンソフト Vol.4』に『超惑星戦記メタファイト』と共に収録され、2003年にはiアプリ版が配信されました。2013年4月10日からはニンテンドー3DSバーチャルコンソールで配信、2024年4月18日発売の『SUNSOFT is Back! レトロゲームセレクション』にも収録されています。

ストーリー

舞台は、人間と動物が共存する平和な島「リップルアイランド」。闇の皇帝「ゲロゲール」が現れ、島の平和を乱し、ドテーラ王の娘ナサレル王女を捕らえてしまいます。ドテーラ王はゲロゲールを倒した者に褒美と姫との婚約を約束。若者「カイル」は一攫千金を夢見て旅立ちます。

舞台

ゲームはエリア制で進行し、各エリアの条件をクリアすると次のエリアへ進みます。一度進んだエリアに戻ることはできません。選択によっては、真のエンディングへの条件を満たせないまま次のエリアへ進んでしまうこともあります。

エリア1：ドテーラ王の居城周辺。カイルはここから旅立ちます。オコジョを動かす方法を探したり、リトナ村で病気の姉妹を助けたり、壊れた家で佇むキャルを見つけることになります。
エリア2：迷いやすい森。リスのクレルから話を聞き、ものしりじいさんの居場所を知る動物を探します。西の洞窟にはキツネの夫婦が住んでいます。
エリア3：大雪原。ここでの行動がエンディングに影響します。ススキやアザラシ、雪の積もった木などがあります。はぐれたウサギの母親もいます。
エリア4：ゲロゲールに破壊された村。住人は一人だけ。怪しげな井戸やトリがいます。西側は海岸ですが、ゲロゲール城へは行けません。
エリア5：ゲロゲールの居城。壊れた壁や酒蔵など、変わった構造をしています。槍をくれる酔っぱらいのタヌキや、一部の攻撃が効かないアルマジロがいます。衛兵に近づくと牢屋に入れられることもあります。

キャラクター

本作のキャラクターは、人間ではなく小動物と同等サイズの小人であることが、当時のサン電子の冊子で明かされています。動物と普通に会話できます。

カイル：主人公。一攫千金を夢見て旅に出ます。キャルに恋心を抱き、プロポーズすることも。
キャル：ヒロイン。ゲロゲールに家を破壊され、カイルと旅をします。カイルと同い年。
ドテーラ王：リップルアイランドの王様。カイルとキャルに島の伝承を語ります。
ナサレル王女：ドテーラ王の娘。ゲロゲールにカエルにされてしまいます。条件を満たすとカイルと結婚し国を継ぎます。
ゲロゲール：自称「闇の皇帝」。巨大な緑色のカエルで、名古屋弁で話します。

評価

ゲーム誌『ファミコン通信』のクロスレビューでは25点（満40点）、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」では18.60点（満30点）を獲得。「動物がたくさん出てきたり、絵本のような画面は本当に心温まる感じだ」と評価されました。

関連作品

漫画版：『わんぱっくコミック』誌上で、もりけんによりコミカライズ。単行本では真のエンディングまで描かれています。

関連項目

デッドゾーン（1986年）
* なんきんのアドベンチア（1988年）

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