リトアニア産業連盟

リトアニア産業連盟（LPK）

リトアニア産業連盟（Lietuvos pramonininkų konfederacija、略称: LPK）は、リトアニア共和国を代表する経済団体のひとつであり、主に同国の大企業の経営者層によって組織されています。日本語では、リトアニア工業連盟やリトアニア産業者連合体といった呼称で言及されることもあります。

現在の活動と役割

LPKは、単なる企業間の情報交換や交流の場にとどまらず、政府や国会に対して産業界の意見を具申し、政策形成に影響を与える重要なロビー団体としての機能を果たしています。国内各地に存在する経済団体や、業界別の様々な組織を傘下に収めており、その加盟は各団体の自由な意思に基づいて行われています。LPKに加盟する企業や団体が生み出す経済活動は、リトアニア全体の国民総生産（GNP）の約6割に相当すると推定されており、同国経済において極めて大きな位置を占めていることがわかります。

歴史

リトアニア産業連盟の起源は古く、1930年に設立されたリトアニア人商業、工業、手工業連合（Lietuvių prekybininkų, pramonininkų ir amatininkų sąjunga）にまで遡ることができます。この団体は1933年にリトアニア人実業連合（Lietuvių verslininkų sąjunga、LVS）と名称を変更し、さらに1936年にはリトアニア人商業、工業、手工業連合（リトアニア人実業連合）という複合的な名称となりました。特筆すべき点は、当時の名称に「リトアニア」（国名）ではなく「リトアニア人」（民族名）が用いられていたことです。これは、正会員の資格が民族的なリトアニア人に限定されていたことに起因し、当時の他の経済団体と比較して、組織として「民族主義的な傾向を強く帯びていた」と指摘される要因となっています。実際に、この連合は「リトアニア人のためのリトアニア」をスローガンに掲げて活動していました。

この時期、連合は産業界の動向や意見を伝えるための機関紙を発行していました。1932年には『ヴェルスラス』（Verslas、リトアニア語で「実業」を意味します）を創刊し、発行部数は約2,000部から10,000部に及びました。また、1934年には『アマティニンカイ』（Amatininkai、「手工業者」の意）も刊行しています。しかし、特に『ヴェルスラス』誌に関しては、複数の研究で反ユダヤ主義的な記事が頻繁に掲載されていたことが指摘されており、両大戦間期のリトアニアにおける反ユダヤ主義思想の拡散に大きな役割を果たした機関紙の一つとされています。これらの機関紙の発行は、リトアニアがソビエト連邦に併合され、全ての企業が国営化される1940年まで続けられました。

1940年のソ連併合と計画経済体制への移行により、旧連合の活動は停止を余儀なくされました。その後、ソビエト連邦の体制が変化し、リトアニアが独立を回復する動きの中で、1989年6月17日にリトアニア産業協会（Lietuvos pramonininkų asociacija）として新たな組織が設立され、活動を再開しました。この協会は、その後、現在のリトアニア産業連盟（Lietuvos pramonininkų konfederacija）へと名称が変更され、現代のリトアニア経済の発展に貢献する主要な団体として活動を続けています。

歴代会長

1989年の再設立以降の主な会長は以下の通りです。

リムヴィーダス・ヤシナヴィチュス (Rimvydas Jasinavičius)（1989年 - 1990年）
アルギマンタス・マトゥレヴィチュス (Algimantas Matulevičius)（1990年 - 1993年）
ブロニスロヴァス・ルビース (Bronislovas Lubys)（1993年 - 2011年）
ロベルタス・ダルギス (Robertas Dargis)（2012年 - 2020年）
* ヴィドマンタス・ヤヌレヴィチュス (Vidmantas Janulevičius)（2020年 - ）

リトアニア産業連盟は、歴史的な変遷を経て、現在もリトアニア経済界の中心的な存在として、産業の振興と政策への影響力保持に努めています。

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