リトル・デュース・クーペ

リトル・デュース・クーペ (Little Deuce Coupe)

ザ・ビーチ・ボーイズが1963年にリリースしたアルバム『リトル・デュース・クーペ』は、ホット・ロッドをテーマにしたコンピレーション・アルバムです。当時、キャピトル・レコードが彼らの楽曲を無断でコンピレーション・アルバムに収録したことがきっかけとなり、急遽制作されました。新曲8曲は、わずか一日で録音されたというエピソードがあります。

制作の背景

1963年の夏、キャピトル・レコードは「ホット・ロッド」をテーマにしたコンピレーション・アルバム『シャット・ダウン』を企画しました。このアルバムには、ビーチ・ボーイズのヒット曲「シャット・ダウン」と「409」が無断で収録されていました。これに対し、ブライアン・ウィルソンは自身の楽曲を迅速に準備し、バンドは急ピッチでアルバム制作に取り組みました。その結果、『サーファー・ガール』のリリースからわずか一ヶ月後には、『リトル・デュース・クーペ』が店頭に並ぶことになったのです。

アルバムには、「リトル・デュース・クーペ」「僕等のカークラブ」「シャット・ダウン」「409」といった既存曲に加え、8曲の新曲が収録されました。このアルバムは、デヴィッド・マークスが参加した最後のアルバムでもあります。オリジナル・メンバーのアル・ジャーディンは、本作のセッションに先立ってバンドに復帰し、マークスはその後すぐに脱退しました。

タイトルとテーマ

「リトル・デュース・クーペ」とは、1932年製のフォード・クーペを指します。「Deuce」は製造年の下一桁である「2」を表しています。このフォード・クーペは、ホット・ロッドの代表的な車種であり、フラットヘッドV8エンジンを搭載していることが特徴です。比較的安価で、シンプルかつ信頼性の高い設計であったため、改造ベースとして人気がありました。

ステレオ・バージョンについて

1989年の初CD化、そして2012年に発売された『サーフィン・U.S.A.』から『スマイリー・スマイル』までのモノ＆ステレオの2in1仕様CDに収録されたステレオ・バージョンは、オリジナルとは若干内容が異なります。

1989年のCD化（CP21-6004）の際には、オリジナルのステレオ盤ではモノラルだった「409」と「ア・ヤング・マン・イズ・ゴーン」が擬似ステレオで収録されていました。2012年盤（TOCP-71373）では、マーク・リネット監修の下で作成された新たなステレオ・バージョンに差し替えられています。それ以外の盤では、オリジナル盤と同じ内容で収録されています。

収録曲

1. いかしたクーペ - Little Deuce Coupe (Brian Wilson/Roger Christian) 1:38
2. バラード・オブ・オール・ベッツィ - Ballad Of Ole' Betsy (Brian Wilson/Roger Christian) 2:15
3. ビー・トゥルー・トゥ・ユア・スクール - Be True To Your School (Brian Wilson/ Mike Love) 2:06
4. カー・クレイジー・キューティ - Car Crazy Cutie (Brian Wilson/Roger Christian) 2:47
5. チェリー・チェリー・クーペ - Cherry, Cherry Coupe (Brian Wilson/Roger Christian) 1:47
6. 409 - 409 (Brian Wilson/Mike Love/ Gary Usher) 1:58
7. シャット・ダウン - Shut Down (Brian Wilson/Roger Christian) 1:48
8. スピリット・オブ・アメリカ - Spirit Of America (Brian Wilson/Roger Christian) 2:23
9. 僕等のカークラブ - Our Car Club (Brian Wilson/Mike Love) 2:21
10. ノー・ゴー・ショーボート - No-Go Showboat (Brian Wilson/Roger Christian) 1:54
11. ア・ヤング・マン・イズ・ゴーン - A Young Man Is Gone (Bobby Troup) 2:15
12. カスタム・マシーン - Custom Machine (Brian Wilson/Mike Love) 1:38

ボーナス・トラック

ビー・トゥルー・トゥ・ユア・スクール（シングル・ヴァージョン） - Be True To Your School

外部リンク

Little Deuce Coupe lyrics

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