リナ＝インバース

リナ・インバース：最強の魔道士にして、型破りな少女

リナ・インバースは、人気ライトノベルシリーズ『スレイヤーズ』の主人公である15歳（物語開始時）の少女です。自称天才魔道士として、その類まれな魔力と戦闘能力で知られています。姉であるルナの一言がきっかけで旅に出たリナは、正義感と強さを持ち合わせながらも、型破りな行動で周囲を驚かせることが多いキャラクターです。

性格と行動：盗賊退治から美食まで

リナは「悪人には人権はない」をモットーに、盗賊団を壊滅させるなど、時に冷酷な一面を見せます。その数、数千とも噂されています。「盗賊殺し」という恐ろしい異名も持つ彼女ですが、一方で仲間には優しく、面倒見の良い一面も。旅の資金を稼ぐために、趣味と実益を兼ねて盗賊のアジトを襲撃することもあります。また、食べることに並々ならぬ執着心を持っており、行く先々で食べ物を求める姿はコミカルです。戦争によって名物料理が食べられなくなることを危惧したエピソードは、彼女のユーモラスな性格をよく表しています。アニメ版では、彼女の食欲が特に強調されているのも特徴です。劇場版やドラマCDでは、食事シーンから物語が始まることも多く、彼女にとって食事は重要な要素と言えるでしょう。児童書版では、本編と比べて精神的な弱さが強調されている点も興味深いところです。

数々の噂と異名：伝説と現実のはざま

リナは数多くの噂や異名で知られています。「ドラゴンもまたいで通る」ことから「ドラまた」と呼ばれることもあれば、「魔竜王を倒せる」「数百歳」「巨城を一撃で破壊できる」といった、まるで伝説の英雄のような噂も流布しています。中には、「額から触角が生えてハエを捕食する」といった、明らかに非現実的なものまで存在します。「命にかかわる危険な生物ベスト百」や「友達にしたくない人物ベスト10」といったランキングにランクインしているという、ユーモラスな噂も存在しています。それらの噂の多くは、彼女自身の危険な魔法や型破りな行動、そしてその圧倒的な強さが生み出したものと言えるでしょう。リナ自身も、それらの噂の全てが事実ではないと認めていますが、反省する気は全くありません。

その悪名高さは、悪党の間で広く知れ渡っており、リナの名前を聞いただけで泣き出す者もいるほどです。逆に、その名を巧みに利用して相手を威圧することもあります。ゼフィーリアでは「赤い糸切りのリナ」として知られ、縁切りエキスパートという異名も持ちます。一方で、地元の魔道士協会からはその能力と功績を認められ、「称号の服」を贈られたものの、ピンク色のフリル付きだったことからトラウマになっているというエピソードも。

魔王との関わり：デモン・スレイヤーの称号

リナは、複数の魔王や高位魔族を倒したり、その滅亡に大きな役割を果たしたことから、「魔を滅する者（デモン・スレイヤー）」と呼ばれています。魔族の間でもその名は恐れられており、彼女の存在は、魔族たちの間で戦略を巡らせるほどの脅威となっています。

外見と体格：小柄な魔道士

リナは身長147cmと小柄な体格で、胸の小ささを気にしています。しかし、イラストでは、リナが小さく描かれると、他の女性キャラが大きく描かれることになるため、イラストによって体格は変化しています。初期のイラストでは比較的胸が大きく描かれていましたが、2008年版では胸の小さいデザインに変更されました。魔道士の服装をしているものの、その容姿から、魔法を使うまで魔道士と気づかれないことも多いです。

魔法と戦闘能力：天才魔道士の技

リナは人間離れした魔力容量を持ち、「竜破斬（ドラグ・スレイブ）」といった強力な攻撃呪文を自在に操ります。オリジナル呪文である「重破斬（ギガ・スレイブ）」や「神滅斬（ラグナ・ブレード）」も生み出しており、魔法の才能は天才的です。しかし、儀式魔術や召喚術は苦手で、白魔術も高位のものは使えません。呪文を選ぶ基準は、実用性よりも見た目や面白さを重視する傾向があり、派手な爆炎系の呪文を好みます。戦闘では、堅実さよりも格好良さや見栄えを優先してしまう一面もあります。剣士としての腕前も高く、魔法を使わなくても平均的な剣士と渡り合うことができますが、本編では彼女以上に優れた剣士が多く、剣技で活躍する場面は少ないです。

その他の能力と特徴：多彩な才能

リナは口が達者で、都合が悪くなると巧みな弁舌で相手を説得したり、ごまかしたりします。推理力と洞察力も高く、優れた家事能力も持ち合わせています。ドラゴン語やゴブリン語を話すことができ、料理をゆっくり食べれば毒の有無も判別できます。一方で、怪談やナメクジ、寒さが苦手という一面も。

装備：魔法と実用性を両立

リナは軽量で扱いやすいショートソードを愛用しており、魔法と剣技を組み合わせた戦闘スタイルを確立しています。バンダナは黒竜の髭で織られており、魔法の詠唱に役立っています。肩あては幾度となく破壊され、買い換えています。魔血玉は、魔力容量を増幅させる強力なアイテムでしたが、物語の終盤で砕けてしまいました。

出身と家族：ゼフィーリアの少女

リナの出身はゼフィーリア王国首都ゼフィール・シティです。両親は元傭兵で、現在は雑貨屋を経営しています。姉のルナは、リナにとって最大の天敵であり、常にリナを悩ませています。リナの型破りな性格は、家族や故郷の環境によって形成されたものと言えるでしょう。

キャラクターデザインとゲームへの登場

リナ・インバースのキャラクターデザインは、オードリー・ヘプバーンをイメージモデルにしていると言われています。また、『ウォークラフト3』のMODであるDotAや、その続編である『Dota 2』にも「Lina」という名前のヒーローとして登場しており、彼女の魔法やスキルが再現されています。

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