リフォームUK

リフォームUK (Reform UK)

概要

リフォームUKは、イギリスの政党です。かつては「ブレグジット党（The Brexit Party）」として活動していました。この党は、反グローバリズムと厳格な移民政策を掲げる保守政党です。欧州懐疑主義を強く支持し、イギリスが欧州連合（EU）に加盟していた頃は、EUからの早期離脱（ブレグジット）という単一の目標達成に焦点を当てて活動を展開しました。

設立と初期の活動

リフォームUKの起源は、EU離脱運動の中心人物であったナイジェル・ファラージ氏によって設立されたブレグジット党にあります。ファラージ氏は、元イギリス独立党（UKIP）の党首です。ブレグジット党の設立時、党員の多くはUKIPの出身者でしたが、保守党を離党した著名な政治家も参加しました。

ブレグジット党は、2019年5月の欧州議会議員選挙で大きな成功を収めました。ブレグジットへの強い訴えが支持を集め、党は29議席を獲得し、イギリスで第1党となりました。しかし、同年の下院補欠選挙では議席獲得に至りませんでした。2019年12月の総選挙では、ブレグジットの実現を優先し、保守党が持つ選挙区での候補者擁立を見送る戦略を取りました。この総選挙での保守党の圧勝によりブレグジットは達成され、ブレグジット党は一時活動を停止しました。

リフォームUKとしての再始動

2020年、新型コロナウイルスのパンデミックによるロックダウン措置がイギリスでも導入される中、政府の対応への不満が高まりました。同年10月、2度目のロックダウン発表を契機に、ナイジェル・ファラージ氏は党の再始動を決断しました。この際、党名を「リフォームUK」と改称し、政府のロックダウン政策などへの批判を主要な政治課題として掲げました。

近年の動向と総選挙での躍進

リフォームUKとして再始動後、党は着実に支持を拡大していきました。2024年3月には、保守党を離党した現職下院議員リー・アンダーソン氏が入党し、リフォームUK初の国会議員が誕生しました。

2024年7月4日に実施された下院総選挙は、リフォームUKにとって大きな転機となりました。この選挙では、支持率低迷にあえぐ保守党から、伝統的な支持層の票がリフォームUKへ流れる可能性が指摘されていました。総選挙の結果、保守党が歴史的な敗北を喫する一方、リフォームUKは全国で14.29%の得票率を獲得し、ナイジェル・ファラージ党首を含む5名の候補者が当選しました。これはリフォームUKにとって下院での初めての議席獲得であり、イギリス政界における有力な第三極としての地位を確立する重要な一歩となりました。

注目される出来事と将来像

総選挙での成功を受け、リフォームUKとファラージ氏への注目度はさらに高まりました。2024年末には、リフォームUKに好意的な姿勢を見せていた実業家イーロン・マスク氏との間で、党への多額の献金に関する協議が行われたことが報じられました。しかし、極右活動家への対応などを巡る見解の相違から、ファラージ氏とマスク氏の関係は悪化し、2025年1月にはマスク氏がファラージ氏の党首交代を要求する事態に至りました。これに対し、ファラージ氏は自身の信念を貫く姿勢を示し、要求を拒否しました。

このような状況下でも、リフォームUKへの国民の支持は拡大傾向にあります。2025年2月に公表された大手世論調査会社YouGovの調査では、リフォームUKが25％の支持率を獲得し、労働党（24％）、保守党（21％）といった主要政党を上回り、初めて首位に立ちました。この結果は、誤差の範囲内であるものの、イギリス政界が労働党、保守党、そしてリフォームUKという三党による拮抗した構造へと変化しつつあることを示唆しており、今後のリフォームUKの動向は、イギリス政治の将来を占う上で重要な要素となっています。

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