リブ・ヤング!

『リブ・ヤング!』は、1972年4月2日から1975年3月29日までフジテレビ系列で放送された、若者世代をターゲットにした革新的な音楽情報番組でした。

番組は、音楽、映画、ファッションなど、当時の若者文化を多角的に紹介する内容で構成されていました。 ディレクターの石田弘氏は、番組構想について「『平凡パンチ』誌面に掲載されているような情報を、映像で表現しよう」というコンセプトを掲げていました。そのため、レギュラー出演者にも『平凡パンチ』関係者が多く参加しており、番組全体に雑誌のような軽快でスタイリッシュな雰囲気が漂っていました。

放送開始時は、グループサウンズ人気が下火になり、歌謡曲が台頭しつつある時代でした。多くの番組が歌謡曲を扱っていた中、『リブ・ヤング!』は洋楽と日本のフォーク、ロック音楽に焦点を当て、情報番組としての枠にとらわれない自由なスタイルを貫きました。単なる情報伝達にとどまらず、サディスティック・ミカ・バンドやガロなどの人気アーティストによるライブ演奏や、「シンガーソングライターコンテスト」といった視聴者参加型の企画も積極的に取り入れ、視聴者を引き込む工夫が凝らされていました。

特に注目すべきは「洋楽情報」コーナーです。レコード会社のプロモーターに自由に番組を進行してもらうという斬新な試みが行われ、その結果、石坂敬一氏のような個性豊かなプロモーターが多数輩出されることとなりました。プロモーター自身の熱意がダイレクトに伝わるこのコーナーは、番組の人気要素の一つとなりました。

『リブ・ヤング!』は、日本のロックシーンにおいても重要な役割を果たしました。伝説的バンドであるキャロルが初めてテレビ出演を果たしたのも、この番組でした。彼らのパワフルなパフォーマンスは、多くの視聴者に衝撃を与え、日本のロックミュージックシーンに大きな影響を与えたことは間違いありません。

番組の司会は、愛川欽也氏をメインに、ビーバー氏、柴俊夫氏、山口いづみ氏らが務め、それぞれが持ち味を発揮して番組を盛り上げました。映画情報コーナーでは今野雄二氏が担当し、幅広いジャンルの情報を分かりやすく伝えていました。

スタッフ陣も豪華で、プロデューサーには林良三氏、演出には斉藤敏氏と石田弘氏、構成には奥山侊伸氏といった、後に日本のテレビ界を代表する人物が名を連ねています。特に石田弘氏は、この番組で培った演出スキルを活かし、『ミュージックフェア』や『オールナイトフジ』といった、後のテレビ史に残る名番組を手がけていくことになります。

日曜放送時代には『日曜ワイドジョッキー』というタイトルで放送されていました。番組の自由なスタイルと、時代を反映した選曲、そして個性豊かな出演者とスタッフ陣の化学反応は、多くの若者の共感を呼び、1970年代前半の日本の音楽シーンを彩る、記憶に残る番組となりました。 『リブ・ヤング!』は単なる音楽番組という枠を超え、一つの時代を象徴するカルチャーアイコンとして、今もなお語り継がれています。

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