平凡パンチ

『平凡パンチ』概要

『平凡パンチ』（へいぼんパンチ）は、マガジンハウスが発行する男性向け週刊雑誌で、1964年4月に平凡出版からスタートしました。これはマガジンハウスの中核となった雑誌で、ファッションや情報、風俗、グラビアなどの多彩なコンテンツを取り扱っていました。興味深いことに、同の出版社からは月刊誌『Monthly平凡パンチ』や総合週刊誌『週刊平凡』が刊行されていましたが、これらとは異なる独自の存在でした。

歴史

『平凡パンチ』は団塊世代のニーズに応える形で、当初から読者に人気のある内容を提供していました。特に、ヌードグラビアを含むA4サイズの隔月版も発行されていました。創刊にあたっては、当時のヒッチコック・マガジンを参考にしたと言われています。『平凡パンチ』はセクシーなグラビアやファッションに特化しており、1966年には発行部数が100万部を超えるという成功を収めました。また、ニッポン放送でのラジオ番組『ザ・パンチ・パンチ・パンチ』も人気を博し、松田聖子がパンチガールの一人として登場することで、彼女のアイドルとしての地位を確立する一助ともなりました。

1980年代には、表紙デザインを一新し、読者からの投稿コーナーなど様々な取り組みを行いました。当時の文化を反映しながら、誌面の刷新を図る努力が続けられていました。

初めての休刊

しかし、社の方針転換により、専門カテゴリの週刊誌として「POPEYE」や「BRUTUS」が創刊され、それに伴って『平凡パンチ』の発行部数は減少しました。1988年10月には「冬眠」宣言を出し、初の休刊を迎えることとなりました。

復刊と再びの休刊

1989年には『NEWパンチザウルス』として復刊が試みられました。この際には内容を全面的にリニューアルし、読者投票や漫画対抗戦など新たな企画が導入されました。しかし、従来の読者層を十分に呼び戻すことができず、わずか4ヶ月で再度休刊となってしまいました。要因としては、失われたセクシー路線やアングラなテイストを無視した新しい試みが挙げられています。

連載漫画

『平凡パンチ』には、多数の著名な連載漫画が存在しました。その中には、根本敬の『生きる』、阿久悠と上村一夫による『パラダ』、黒鉄ヒロシの作品群など、多様なジャンルにわたる作品がありました。特に、モンキー・パンチによる『逆イソップ物語』やみなもと太郎の『男の劇場』も多くの読者に親しまれました。

文化的影響

『平凡パンチ』はその時代の文化やトレンドを反映するだけでなく、男性のライフスタイル雑誌としても重要な役割を果たしていました。特にファッションやセクシーな要素を前面に押し出した内容は、当時の若者たちに大きな影響を与えました。多くのアイドルやモデルがこの雑誌を通じて注目を浴び、今なお語り継がれる部分もあります。

参考文献

• - 『平凡パンチの時代　失われた六〇年代を求めて』（マガジンハウス、1996年）
• - 『平凡パンチ甦れ、アイドルの時代　永久保存版写真集』（マガジンハウス、2008年）
• - 塩澤幸登著『平凡パンチの時代　1964年～1988年 希望と苦闘と挫折の物語』（河出書房新社、2009年）

このように『平凡パンチ』は、その発行から休刊までの間に、様々な側面で日本の男性文化に影響を与えた雑誌でした。その歴史は今なお多くの人々にとって記憶に残るものであると言えるでしょう。

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