リベルタンゴ

『リベルタンゴ』（Libertango）は、アルゼンチンの作曲家アストル・ピアソラによって1974年に発表されたタンゴの楽曲です。

楽曲について

この曲のタイトルである「リベルタンゴ」は、スペイン語で「自由」を意味する「libertad」と「タンゴ」という言葉を組み合わせた造語です。このタイトルには、従来のタンゴの形式にとらわれず、自由な表現を追求しようとしたピアソラの意欲が込められています。

作曲当時、アルゼンチンは政治的に不安定な状況にあり、フアン・ペロンが大統領に返り咲くなど、社会全体が重苦しい雰囲気に包まれていました。ピアソラはそうした状況に嫌気がさし、演奏活動の拠点をイタリアに移していました。『リベルタンゴ』は、そうした中で生まれた作品です。

ヴォーカル曲

『リベルタンゴ』には、オラシオ・フェレールによって歌詞が付けられたヴォーカルバージョンも存在します。歌詞の内容は、楽曲の持つ情熱的でドラマチックな雰囲気をさらに強調しています。

様々な演奏

『リベルタンゴ』は、ピアソラ自身の楽団による演奏をはじめ、数多くのアーティストによって演奏されています。中でも、ピアソラの楽団による録音は、その迫力と演奏の完成度の高さから、非常に高い評価を受けています。

その他、セクステート・マジョール (Sexteto Mayor) をはじめとする様々なタンゴ楽団もこの曲を録音しており、タンゴダンスの曲としても非常に人気があります。

また、1999年には、テレビ朝日の番組『ノリカ・タンゴ・アルヘンティーノ』で、女優の藤原紀香がこの曲を選んだことでも話題となりました。

さらに、チェロ奏者のヨーヨー・マがチェロで演奏したバージョンは、1998年5月9日からサントリーローヤルのCMに使用され、日本で広く知られるようになりました。このCMをきっかけに、『リベルタンゴ』は日本で大変な人気を博しました。

他にも、加藤登紀子が歌唱した録音や、ピアノデュオDuetwo（デュエットゥ）がアルバム『いいことがありそう!』で演奏するなど、様々なジャンルのアーティストがこの曲を演奏しています。

ミュージカル『スコットとゼルダ』では、主人公スコットが小説『華麗なるキャッツビー』を執筆する場面で、『リベルタンゴ』に合わせてタップダンスが披露され、その劇的な演出が観客を魅了しました。

『リベルタンゴ』は、タンゴの枠を超えて、様々なジャンルの音楽ファンに愛される、不朽の名曲と言えるでしょう。

外部リンク

* Todotango - Libertango

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