リベルランド

リベルランド自由共和国 (Free Republic of Liberland)

概要

リベルランドは南東ヨーロッパのドナウ川沿岸に位置したミクロネーションで、面積は約7平方キロメートル。具体的にはセルビアとクロアチアの国境地帯に存在する「ゴルニャ・シガ」と呼ばれる地域を領土として主張しています。この地域はどちらの国も実効支配を行っておらず、無主地とみなされています。

リベルランドは2015年にチェコの政治家ヴィート・イェドリチカによって建国が宣言されました。この日付はアメリカ独立の父トーマス・ジェファーソンの誕生日にちなんでいます。これにより、リベルランドはリバタリアニズムの理念を土台として成り立ち、個人の自由を重視した憲法を制定しています。国の標語は「To live and let live（自分も生かして他人も生かせ）」であり、この特徴がリベルランドの基本的な考え方を象徴しています。

リベルランドの市民権は2018年4月時点で600人以上に授与されており、さらに約15万人がインターネットを通じて市民権を申請しています。特に日本からの申請者も276人います。公用語は英語であり、国の独自通貨「メリット」が導入されており、持ち主の保有額に応じて投票権が変動する仕組みも検討されています。将来的な人口目標は3万5000人とされています。

外交関係

リベルランドの国際的な認知は乏しく、2020年現在、国連に加盟する193か国の中で正式に国家承認を行った国は存在しません。ただし、非公式にインターネット上で交流を持つソマリランドとの間で2017年に相互承認が成立しました。これは、リベルランドにとって初の国家承認と言えるもので、両国は国際的に認められたわけではありません。

また、リベルランドはいくつかのミクロネーションから支持を受けており、その一部には北スーダン王国やエンクラバ王国が含まれます。さらに、スイスやノルウェーなどのリバタリアン政党とも連携を深めており、国際的な影響力を拡大しようとしています。リベルランドは今後、欧州自由貿易連合（EFTA）や中欧イニシアティブ（CEI）への加入を目指していますが、欧州連合（EU）への加盟は考えていないとのことです。

移住と入国

リベルランドへの移住を希望する者は、少なくとも共産主義やネオナチといったリベルランドが認めることのできない思想に関連しない限り、誰でも申請可能です。これにより、多様な背景を持つ人々がこの新たな国家での生活を希望しています。また、リベルランド周辺には同様のミクロネーションが存在し、相互に建国の理念に共感し合う関係を構築しています。

結論

リベルランドは、自己責任を重視し、個人の権利を伸ばすことを目標にしています。国際的な認知を得るには時間がかかるかもしれませんが、リベルランドはその理念を基に新たな未来を築こうとしているのです。

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