リム出版

株式会社リム出版の歴史とその影響

株式会社リム出版（RiM Publishing Co., Ltd.）は、日本の出版社として1977年3月に設立されました。設立当初はタレント関連やサブカルチャーに焦点を合わせた書籍を中心に刊行し、次第にその存在感を拡大していきました。その活動の中で1990年には中牧昭二による著作『さらば桑田真澄、さらばプロ野球』を発表し、年間の売上でノンフィクション部門第8位を記録するなど、商業的にも成功を収めました。

1989年には、当時の社長であった宮崎満教が手がけた漫画『8マン』の愛蔵版全7巻の刊行を開始しました。この作品は、原作を平井和正、作画を桑田二郎が担当しており、特に第6巻では桑田が逮捕される事件が発生したことからアシスタントによる代筆が行われましたが、後に桑田自身が描き下ろした最終話が収録され、読者の注目を集めました。このシリーズは、後に第7巻で未収録の短編作品を初めて収録するなどの工夫がされ、総500,000部以上を売り上げる大ヒットとなりました。この成功を受けて、リム出版は桑田の『まぼろし探偵』全8巻や『平井和正全集』全100巻、ウルトラシリーズのコミカライズを含む『COMIC'S★ウルトラ大全集』に関する大型企画を展開し、業界内での存在感を強めていきました。

しかし、1992年には『8マン』のリバイバルを狙った実写映画の企画が進行しましたが、結果的には東京ドームでの上映会が大失敗に終わり、13億円以上の負債を抱えることとなります。この金融危機は1993年に経営破綻を招き、その際には既刊在庫がリム出版新社に引き継がれましたが、いくつかのプロジェクトは中止となりました。

映画監督の河崎実は、リム出版の倒産や関連するトラブルについて、ツタンカーメンの呪いになぞらえる発言をしており、これにより「8マン」関連の不幸な出来事がひとつの現象として取り上げられることとなったのです。

倒産後、リム出版新社は本社を飯田橋から神保町に移転し、2006年頃までは新刊の発行を続けました。しかし、2007年以降は法人格が残るものの、公式サイトが閉鎖され、事実上休眠状態となっています。これにより、リム出版は過去の栄光と共に、歴史の中での一つの教訓として語られています。

このように、リム出版は数々の挑戦を経て、一時的には成功を収めたものの、最終的には経営の不振によってその活動を終えました。その歴史は日本の出版業界における一つの興味深いストーリーとして、今も語り継がれています。

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