8マン

エイトマン（8マン）

『8マン』（エイトマン）は、1963年から1965年にかけて連載された平井和正と桑田次郎によるSF漫画です。この作品の主人公である8マンは、元は刑事の東八郎であり、凶悪犯により命を落とした後、科学者の谷博士によってサイボーグとして蘇ります。物語は、彼が私立探偵としての生活を送りつつも、事件が発生した際にはスーパーロボット「8マン」として活躍するというユニークな構造を持っています。

誕生の背景と制作経緯

本作が誕生する背景には、当時の漫画界の状況が大きく影響していました。平井はSF作家としての新たな挑戦を求めており、特に『鉄腕アトム』を越えるロボット漫画の需要が高まっていました。編集者の内田勝は、平井と桑田のコンビを選定し、新しいロボットのコンペティションを実施。平井のオリジナルアイデアである「変身能力」「加速性能」が評価され、『8マン』が誕生しました。桑田もその画力が評価され、平井の原作を基にした漫画制作を担当しました。

漫画とアニメ

『8マン』は『週刊少年マガジン』に連載され、出版社である講談社の看板作品となったほか、同時にテレビアニメも制作されました。アニメ版は1963年11月から1964年12月までTBS系列で放映され、全56話が放送されました。漫画版ではタイトルが数字表記の「8マン」であるのに対し、テレビアニメ版ではカタカナの「エイトマン」に変更されました。

アニメの制作は、TBSが主要な役割を果たし、平井自身が脚本に関与するなど密接な関係を築いていました。このアニメ化は、日本のSFアニメの先駆けとしても評価されています。

主要キャラクターと特徴

主人公の8マンは、粋なダブルのスーツ姿で私立探偵として活躍し、事件に直面するとサイボーグとしての力を発揮します。彼の体は、戦闘用ロボット08号からの技術を応用して作られたもので、超音波を聞き取る耳や透視装置を持つ特異な存在です。また、彼は原子力をエネルギー源にしており、身体の機能維持に冷却剤を必要とする面もあり、これが物語の緊迫感を生む要素となっています。

サポートキャラクターとして登場するのは、東の秘書である関さち子や、警視庁の田中課長です。彼らは、8マンの秘密を知らないままで、物語を進める重要な役割を果たしています。

終焉とその後

『8マン』は連載中、桑田が銃刀法違反で逮捕され、急遽打ち切りとなるという不運な結末を迎えました。このため、最終的な結末を知ることができないまま作品が終了し、長らく未収録のまま放置されていました。しかし、後年のリム出版による完全復刻版において、この未収録部分が復活し、再びファンの手に渡ることとなりました。これに伴い、作品のリバイバルが図られるも商業的には失敗し、リム出版の経営にも影響を与えました。

結論

『8マン』は、日本のSF漫画の一つとして、そのユニークな設定やキャラクター、社会的影響を持つ作品として現在も愛され続けています。その後の作品やリメイクも数多く行われ、文化の一部としての地位を確立しています。

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