リモート・コントロール (曲)

「リモート・コントロール」は、ザ・クラッシュのアルバム『白い暴動』に収録された楽曲であり、シングルとしてもリリースされました。この曲は、抑圧と服従に対する反抗という、バンドの根底にあるメッセージを強く打ち出した作品です。

この曲が生まれた背景には、ミック・ジョーンズが経験した「アナーキー・ツアー」の悲惨な状況がありました。コンサートを中止に追い込んだ役人、警察、そして大企業、特にレコード会社への怒りが込められています。1977年12月7日に開催された「メイフェア会議」で、EMIがツアーへの支援を撤回したことに対する不信感、さらには旧態依然とした貴族社会や、救いようのない政治家たちへの批判も込められています。

しかし、クラッシュ自身はこの曲を積極的に認めていたわけではありません。むしろ、この曲のリリースは、バンドの許可なしにCBSレコードが独断で行ったものでした。当時、『メロディ・メイカー』誌では、次のシングルは「ジェニー・ジョーンズ」であると発表されており、メンバーはCBSのこの行為に対して強い憤りを感じていました。

皮肉なことに、「リモート・コントロール」は、結果としてクラッシュの反逆精神を象徴する曲の一つとなりました。この一件については、次のシングル「コンプリート・コントロール」の歌詞冒頭で言及されています。

やつらは「リモート・コントロール」をリリースするだと。俺たちはそんなレッテル張りは望んじゃいないのに。

この歌詞は、バンドが自分たちの音楽やイメージをコントロールされることを嫌っていたことを如実に表しています。レコード会社による一方的なリリースは、まさに彼らが批判していた抑圧的な構造の象徴であり、バンドの反骨精神をさらに強めることになりました。

「リモート・コントロール」は、単なる反抗の歌にとどまらず、当時の音楽業界や社会全体に対するクラッシュの鋭い視点を示す楽曲として、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

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