リュゼナックAP

リュゼナック・アリエージュ・ピレネー（Luzenac Ariège Pyrénées）

リュゼナック・アリエージュ・ピレネー（リュゼナックAP）は、フランス・オクシタニー地域圏アリエージュ県リュゼナックを本拠地とするサッカークラブです。リュゼナックはピレネー山脈の麓、アンドラとの国境に近い人口約650人の小さな村です。

歴史

クラブは1936年に、地元の滑石採掘会社をスポンサーとして「USTリュゼナック」として設立されました。当初は鉱山労働者を中心としたクラブで、長らくアマチュアリーグで活動していました。

1992年に「USリュゼナック」に改称。2000年代に入り、徐々にカテゴリーを上げていき、2008-09シーズンにはフランス全国選手権（3部リーグ）への昇格を果たしました。村の労働者が中心だったチームから、外部からの選手を積極的に獲得し、トゥールーズの学生選手やトゥールーズFCの下部組織出身の若手選手などを加えて戦力強化を図りました。

2012年には、クラブ名を「リュゼナック・アリエージュ・ピレネー」と改称。県や地域圏からの財政援助を期待してのことでした。元フランス代表ゴールキーパーのファビアン・バルテズが経営に参加し、ゼネラルディレクターを務めた時期もありました。

2013-14シーズンの昇格騒動

2013-14シーズン、リュゼナックAPはフランス全国選手権で2位となり、2部リーグであるリーグ・ドゥへの昇格を決めました。人口わずか650人の村を本拠地とするクラブがプロリーグに昇格するのは異例のことであり、国内外から注目を集めました。

しかし、昇格にはスタジアムの問題が立ちはだかりました。リュゼナックが使用していたスタッド・コルベはリーグ・ドゥの基準を満たしておらず、代替スタジアムを用意する必要がありました。近隣のスタジアムを確保しようとしましたが、最終的にリーグ・ドゥへの昇格は認められませんでした。

この決定を不服としたクラブは、フランス国立オリンピック委員会（CNOSF）への仲裁や行政裁判所への提訴など、あらゆる手段を講じて争いましたが、最終的に昇格は覆りませんでした。それどころか、全国選手権への残留も認められず、2014-15シーズンには7部リーグへの降格という憂き目に遭いました。

現在

7部リーグからの再出発となったリュゼナックAPは、その後カテゴリーを上げ、現在はオクシタニア地域リーグ1（6部）に所属しています。昇格騒動から立ち直り、再び上位リーグを目指して活動を続けています。

リュゼナックAPの一連の騒動は、フランスサッカー界における地方クラブの厳しい現実を浮き彫りにしました。小規模なクラブが上位リーグで戦うためには、資金力やスタジアムなどの問題をクリアしなければならず、そのハードルは決して低くありません。

しかし、リュゼナックAPは、地域住民の熱い supportedに支えられ、決して諦めることなく、再び輝きを取り戻すために戦い続けています。

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