リリアン (タレント)

リリアン：大阪を彩った個性派タレント

リリアン（1950年10月12日 - 2020年7月18日）は、大阪府河内長野市出身のタレント、歌手として知られています。本名を下左近信吉といい、そのユニークなキャラクターで、関西を中心に幅広い人気を集めました。

北新地のママからお茶の間の人気者へ

リリアンは、元々板前を目指していましたが、その道を断念。その後、大阪市北区の北新地でニューハーフクラブ「マダムリリアン」を経営していました。2006年に店を閉店してからは、その個性的なキャラクターが買われ、「お笑いタレント」としての活動を本格化させました。

やしきたかじんとの友情

リリアンとやしきたかじんとの親交は深く、公私にわたる親友として知られていました。その関係から、関西ローカル番組を中心に、ラジオやテレビに多数レギュラー出演。たかじんもリリアンの物真似をよく披露し、二人の掛け合いは多くのファンを魅了しました。また、たかじんがリリアンと飲みに行った際、ふざけて「マリアンで〜す」と名乗ったエピソードも残っています。外見がたかじんに似ていたこともあり、ファンから間違われることもあったそうです。

京橋グランシャトーのCMでブレイク

リリアンの名前を関西圏に不動のものとしたのは、大阪市都島区の京橋駅前にある複合型レジャービル「京橋グランシャトービル」のCM出演でした。CMソングとともに、そのインパクトのある映像は多くの人々の記憶に刻まれました。

歌手としての活動

1985年の阪神タイガース優勝時には、「阪神タイガースの優勝を知らない子供たち」で歌手デビューを果たし、『ザ・ベストテン』や『オレたちひょうきん族』といった全国放送の番組にも出演しました。この曲は、ジローズの「戦争を知らない子供たち」の替え歌で、阪神ファンにとっては特別な一曲となっています。

闘病生活と晩年

1994年に胃がんが見つかり胃を全摘出。療養のため一時マスコミへの露出を控えていましたが、その後、関西ローカルのCMに出演したり、闘病体験を中心とした講演会の講師を務めたりするなど、活動を再開しました。2008年には、たかじんが自身の番組で、リリアンが再び北新地に店を構えたことを明かしています。

周囲の人々との交流

リリアンの周りには、常に多くの人々が集まっていました。親友である野球解説者・タレントの板東英二は、リリアンの店を「ボッタクリの店」と言いながらもよく通っていたそうです。板東とはラジオ番組で共演し、芸能活動も板東の個人事務所に所属していました。2018年頃にクラブの経営を止め、知人の店を手伝っていたといいます。

膵臓がんによる闘病と最期

2019年3月に再び体調が悪化し膵臓がんが判明。入退院を繰り返した後、2020年7月18日に心不全のため大阪府茨木市の病院で亡くなりました。69歳でした。生前最後のメディア出演は、2020年6月26日に関西テレビで放送された『桃色つるべ』でした。

リリアンは、その短い生涯の中で、タレント、歌手、そしてクラブ経営者として、様々な顔を見せてくれました。常に周囲を笑顔にするその明るい人柄は、多くの人々の心に深く刻まれています。

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