リロイ・ランシング・ジェーンズ

リロイ・ランシング・ジェーンズについて

リロイ・ランシング・ジェーンズ（Leroy Lansing Janes）は、1838年にアメリカのオハイオ州で生まれ、南北戦争に北軍少尉として従軍した後、アメリカ陸軍の大尉として功績を残しました。戦後、ニューヨークのスカッダー家の女性、ハリエット・スカッダーと結婚。その後、1871年に日本へ来日し、熊本洋学校の設立に尽力しました。彼は全教科を一手に教授し、教育界において一時の光を放ちました。

熊本洋学校の設立

ジェーンズは、アメリカ・オランダ改革派教会の宣教師グイド・フルベッキの支援を受けて、熊本洋学校を設立しました。設立当初はキリスト教に関する授業は控えていましたが、三年目には聖書研究会を自宅で開くようになりました。この活動を通じ、多くの学生がキリスト教に帰依することとなります。

1876年1月30日、ジェーンズの卒業生たちは熊本の花岡山に集まり、「奉教趣意書」としてキリスト教の信仰に基づいて国に尽くすことを誓いました。この決意は大きな波紋を呼び、ジェーンズは学校を解任され、熊本洋学校は同年8月に閉鎖に追い込まれました。しかし、この出来事が後に熊本バンドと呼ばれるキリスト教団体の礎となります。熊本洋学校からの転校生が同志社英学校に入学し、そこからキリスト教徒として育つ学生たちが出てきます。

離婚とその影響

1892年、ジェーンズはアメリカに帰国しましたが、彼の私生活は波乱に富んでいました。妻ハリエットとは不和が続き、1882年には離婚訴訟を起こされます。ハリエットは、夫の暴力や不倫、経済的な問題を理由に離婚を訴えました。この騒動により、ジェーンズはアメリカのクリスチャンコミュニティでの評価を失い、心の内に深い傷を負うこととなりました。

その後、経済的理由から再び日本に戻ることを決意し、1893年から1899年まで京都と鹿児島で英語を教えました。彼はこの期間にも、学生たちや宣教師たちとの関係において独特な姿勢を示し、時には敵対するような発言も残しています。

晩年と死

1899年に帰国後は事業に失敗し、サンノゼ近郊の山中で孤独に暮らすことになります。その間、彼を支える教え子たちが現れ、借金を完済する手助けをしてくれましたが、1909年に入院中に亡くなってしまいます。死後は、教え子たちからの追悼金が妻フロラに贈られ、彼の影響力がどれほど大きかったかを物語っています。ジェーンズの生涯は、成功と失敗が交錯した刺激的なものであり、日本におけるキリスト教教育の発展に寄与したことは間違いありません。

評伝

ジェーンズの生涯は、多くの文献に取り上げられています。特に『ジェーンズ 熊本回想』やフレッド・G・ノートヘルファーの著作などが有名です。このような文献を通じて彼の功績や苦悩を知ることができます。彼の影響は現在でも多くの人々に語り継がれており、熊本洋学校の精神は同志社やその後のキリスト教徒たちに受け継がれています。

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