リンカーン・LS

リンカーンLS：アメリカンラグジュアリーとヨーロピアンドライビングの融合

リンカーンLSは、フォード・モーターが製造し、リンカーンブランドで販売していた自動車です。1998年のニューヨーク国際オートショーで発表され、翌1999年から販売が開始されました。当時、リンカーンブランドのユーザー層の高齢化が懸念されていたため、若年層の取り込みを狙い、「アメリカン・ラグジュアリーとヨーロピアン・ドライビングの融合」をコンセプトに開発されました。世界戦略車として位置づけられ、アメリカをはじめとする18カ国で販売されました。

プラットフォームと開発

リンカーンLSは、新開発のフォードDEWプラットフォームを採用しています。このプラットフォームは、後にジャガーSタイプとも共有されることになります。日本では1999年10月からフォード・ジャパンによって販売が開始されました。戦後のリンカーンブランドとしては初の右ハンドル仕様が用意されたことも、一時的な話題となりました。

北米での成功と日本での苦戦

北米では、2000年度の北米カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、特にアメリカで高い評価と人気を獲得しました。しかし、日本では、マニュアルモード付き5速ATの熟成不足や、兄弟車であるジャガーSタイプと比較して内装の質感が低いという指摘があり、販売面で苦戦を強いられました。その結果、2002年には日本への輸入が打ち切られました。

その後と生産台数

日本への輸入が打ち切られた後も、アメリカでは2006年まで販売が続けられ、7年間で合計26万2900台が生産されました。

車名の由来と訴訟騒動

「LS」という車名は、「Luxury Sports Sedan」の頭文字に由来します。当初は「LS6」と「LS8」という名称になる予定でしたが、トヨタ自動車が自社の高級車ブランドであるレクサスのフラッグシップセダン「レクサスLS」と名前が類似しているとして、商標権侵害訴訟をほのめかしました。これに対し、フォード側もトヨタが1999年に公開したコンセプトカー「T150」が、同社が販売している「フォードF-150」に酷似しているとして、訴訟をほのめかしました。結局、フォードは「LS V6」と「LS V8」という名称を採用し、トヨタは「T150」を「トヨタ・タンドラ」と名付けました。

関連情報

フォード・モーター・カンパニー
フォード・ジャパン
リンカーン
ジャガー・カーズ

外部リンク

Ford Motor Company: Cars, Trucks, SUVs, Hybrids, Parts
Ford Japan
* Lincoln Vehicles | The Official Site of Lincoln Vehicles

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