リンクル・イン・タイム

リンクル・イン・タイム：時空を超えた冒険と家族の愛

2018年公開のアメリカ映画『リンクル・イン・タイム』（原題：A Wrinkle in Time）は、マデレイン・レングルの1962年の同名小説を原作とするSFファンタジーアドベンチャー作品です。エイヴァ・デュヴァーネイ監督がメガホンを取り、豪華キャストを迎え、高い製作費を投じて制作されました。しかし、興行的な成功には至らなかったものの、その映像美やテーマ性の高さから、高い評価を受けています。

ストーリー：失踪した父と時空を超えた旅

物語の中心となるのは、13歳の少女メグです。4年前に失踪した天体物理学者である父親を探すため、メグは弟のチャールズ、そしてクラスメートのカルビンと共に、時空を超える旅に出ます。彼らの冒険を導くのは、ミセス・ワッツイット、ミセス・フー、ミセス・ウィッチという3人の不思議な存在。彼女たちは「アストラルトラベラー」として、宇宙を自由に旅することができます。

3人はテッセラクトと呼ばれる装置を使い、様々な惑星へ瞬間移動します。そこで、彼らは美しい惑星と、邪悪な力「IT」の支配下に置かれた惑星を目の当たりにします。「IT」は、人間の心に潜む負の感情を増幅させ、世界を闇に染めようとしています。メグたちは、様々な困難を乗り越えながら、父親を救出し、世界を「IT」から救うため奮闘します。

旅の過程で、メグは自身の弱さや葛藤と向き合い、成長していきます。また、家族の絆の大切さや、友情の力も描かれています。美しい映像と壮大なスケールで展開される冒険は、観客を魅了します。しかし、単純な勧善懲悪ではなく、人間の心の闇や葛藤にも深く切り込んでいます。

キャスト：豪華俳優陣が集結

本作には、オプラ・ウィンフリー、リース・ウィザースプーン、ミンディ・カリングといったハリウッドを代表する俳優陣が出演しています。また、メグ役にはストーム・リード、父親役にはクリス・パインと、実力派俳優たちが集結しています。それぞれのキャラクターが魅力的で、物語に深みを与えています。

製作：黒人女性監督による大作

本作は、黒人女性であるエイヴァ・デュヴァーネイ監督が1億ドル規模の製作費をかけた実写映画を監督した最初の作品として注目を集めました。これは、ハリウッドにおける多様性の重要性を示す出来事でした。

しかし、製作費とマーケティング費用を含めた総額は約2億5千万円にも上ったものの、興行成績は低迷し、多額の損失を出しました。批評家の評価も賛否両論で、視覚効果の過剰さやプロットの不備を指摘する声もありました。

評価：賛否両論、しかしテーマ性の高さは評価

批評家の評価は賛否両論に分かれましたが、映像の美しさや、家族愛、友情、自己肯定といった普遍的なテーマ性の高さは高く評価されています。特に、黒人女性監督が描いた作品であるという点も、本作の意義を高めています。また、子供たちが抱える問題や、社会問題にも触れ、考えさせられる要素も多いです。

まとめ：時空を超えた冒険と深いテーマ

『リンクル・イン・タイム』は、壮大なスケールと美しい映像、そして感動的なストーリーが魅力のSFファンタジー映画です。興行的には成功しませんでしたが、そのテーマ性や映像美は多くの人々の心を捉えました。家族愛、友情、自己肯定、そして社会問題といった普遍的なテーマを、時空を超える冒険を通して描く本作は、観る者に深い感動を与えてくれるでしょう。

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