リンゼイ・ボン

リンゼイ・ボン：アルペンスキーの女王

リンゼイ・ボンは1984年10月18日にアメリカのミネソタ州で生まれました。彼女は幼い頃からスキーに親しみ、2歳の時にその道を歩み始めました。10歳の時には、リレハンメルオリンピックのメダリストであるピカボ・ストリートに影響を受け、彼女を目指して練習に励むようになりました。これが彼女のスキー人生のスタートとなります。

1999年、イタリアで行われたジュニア大会での優勝が、彼女のキャリアにおける大きな足がかりとなりました。その結果、ナショナルチームに招かれ、2000年には16歳でワールドカップに初出場を果たします。2002年のソルトレイクシティオリンピックでは、回転と複合に出場し、複合で9位の成績を収めました。

2003年には、ジュニア世界選手権の滑降種目で銀メダルを獲得。2004年12月には、ワールドカップレイク・ルイーズ大会で初優勝し、これが彼女にとってのワールドカップ初表彰台となりました。そのシーズンを通じて、他の大会でも好成績を収めました。

2005年のワールドカップバルディゼール大会では再次優勝を果たし、賞品として贈られた牛を今も大切に飼っていると言います。その後、彼女は2006年トリノオリンピックで負傷しながらも8位でフィニッシュし、「アメリカ合衆国オリンピック精神賞」を受賞しました。この勇気ある行動は多くの人々に感銘を与えました。

2007年には世界選手権で滑降とスーパー大回転で銀メダルを獲得。2007年9月、彼女は元アルペンスキー選手トーマス・ボンと結婚しますが、2013年に離婚しています。その後の2008年から2010年にかけては、ワールドカップで女子の総合チャンピオンに輝きました。

2010年のバンクーバーオリンピックでは、直前に怪我を負うも金メダルを獲得し、滑降でも大きなタイムを叩き出しました。しかし、他の種目ではトラブルが続き、特に複合では途中棄権となりました。これを受け、スポーツイラストレイテッド誌で「美人アスリート」として特集され、注目を集めます。また、AP通信の「2010年を代表する女性アスリート」に選ばれるなど、その活躍は多岐にわたりました。

2011年にはワールドカップ総合で2位、2014-2015シーズンには8勝を挙げるなど活躍が続きました。2015-2016年には9勝を収めながらも、シーズンの終盤に膝を骨折し、戦線離脱を余儀なくされました。

2017年にはワールドカップの開幕前に転倒し、右腕を骨折しましたが、復帰後も活躍を続け、世界選手権では新たに銅メダルを獲得しました。2017-2018シーズンの平昌オリンピックでは、滑降で銅メダルを獲得しつつ、他の種目では途中棄権となるなど波乱の展開がありました。

リンゼイ・ボンは、アルペンスキー・ワールドカップで総合優勝4回、滑降の種目別優勝が8回、スーパー大回転の種目別優勝が5回、そして女子歴代最多である82勝を誇る選手として、まさにアルペンスキー界のレジェンドです。彼女のキャリアは多くのアスリートにとって、希望の光となっています。

もう一度検索