リン酸鉄(II)

リン酸[鉄]：性質、生成、用途

リン酸[鉄]は、鉄のリン酸塩の一種であり、化学式Fe3(PO4)2で表されます。別名、リン酸第一鉄とも呼ばれています。自然界では、八水和物の形で藍鉄鉱として産出します。

物理的性質

リン酸[鉄]は水に不溶性の無機化合物です。モル質量は357.49 g/molです。市販されているものは主に八水和物です。一水和物は暗緑色、六水和物と八水和物は白色の結晶性粉末ですが、空気中に触れると酸化され、青色へと変化する性質があります。この酸化による青色変化は、天然の藍鉄鉱でも観察される現象で、鉱物名の由来となっています。八水和物は単斜晶系に属し、水には溶解しませんが、強酸性の水溶液には溶解します。

生成方法

リン酸[鉄]の生成には、いくつかの方法があります。

方法1: 硫酸[鉄]水溶液に、空気を遮断した状態で、リン酸水素二ナトリウム水溶液と酢酸ナトリウム水溶液を加え、2～3日間放置します。すると、八水和物の結晶が析出してきます。
方法2: [鉄]塩水溶液とリン酸水素二ナトリウム水溶液を混合し、封管中で加熱する方法もあります。この方法でも、リン酸[鉄]の結晶が析出します。

化学反応式は以下のようになります。

3Fe²⁺(aq) + 2HPO₄²⁻(aq) + 8H₂O → Fe₃(PO₄)₂・8H₂O + 2H⁺

この反応式は、[鉄]イオンとリン酸水素イオンが反応し、八水和物のリン酸[鉄]と水素イオンを生成することを示しています。

用途

リン酸[鉄]は、主に農業や園芸の分野で利用されています。代表的な用途としては、苔の除去剤として用いられます。

まとめ

リン酸[鉄]は、水に不溶で空気中で酸化されやすい性質を持つ[鉄]]のリン酸塩です。八水和物の形で市販され、園芸用など幅広く利用されています。その生成方法は、硫酸[[鉄]水溶液とリン酸水素二ナトリウム水溶液を反応させる方法が一般的です。

もう一度検索