リーグニッツの戦い (1760年)

リーグニッツの戦い：フリードリヒ大王の勝利と兵士たちの名誉回復

リーグニッツの戦いは、七年戦争中の1760年8月15日に、シュレージエン地方の都市リーグニッツ周辺で繰り広げられました。プロイセンのフリードリヒ大王率いる軍勢が、オーストリアのエルンスト・ギデオン・フォン・ラウドン率いる軍勢を打ち破った戦いです。

戦いの経緯

早朝、ラウドン率いるオーストリア騎兵がプロイセン軍の陣地へ攻撃を仕掛けました。しかし、ツィーテン率いるプロイセンのハサー部隊による反撃を受け、オーストリア騎兵は後退を余儀なくされます。その後、両軍は激しい砲撃戦を展開。プロイセン軍の放った榴弾がオーストリア軍の弾薬庫に命中し、これが勝敗を大きく左右する要因となりました。弾薬を失ったオーストリア軍は歩兵戦列を前進させますが、プロイセン軍の容赦ない砲撃によって阻まれてしまいます。アンハルト＝ベルンブルク公率いるプロイセン軍歩兵連隊が反撃に転じると、オーストリア軍はついに退却を始めました。

退却するオーストリア軍に対し、プロイセン軍の砲撃は容赦なく降り注ぎます。一方、ダウンはラウドンの敗北を知りながらも、自身が率いる無傷の軍勢を援軍として送ることを拒否。この判断が、後に両者の間に深い溝を生むこととなります。

名誉挽回に燃えた兵士たち

戦いの終盤、アンハルト＝ベルンブルク公の第3連隊による突撃は、実は命令によるものではありませんでした。この連隊は、3週間前の戦闘で潰走し、その結果としてフリードリヒ大王の激しい怒りを買っていました。大王は罰として、彼らから帽子のレースと副武装の短剣を剥奪。連隊の兵士たちは、この不名誉を返上すべく、必死の覚悟で戦いに臨んだのです。

戦闘後、フリードリヒ大王は第3連隊の将兵たちの前で、「全ては許され、全ては忘れられた。ただ今日のことを除いて」と宣言し、彼らの装備を無償で復活させました。この言葉は、彼らの勇気と名誉回復を大王が認めたことを意味し、兵士たちの心を深く打ったことでしょう。

戦いの教訓

リーグニッツの戦いは、砲撃の重要性を示すとともに、兵士たちの名誉を重んじることの重要性を示唆するエピソードに満ちています。また、指揮官同士の連携の重要性、そして、失敗から学び、名誉挽回に燃える兵士たちの力強い姿は、現代においても多くの教訓を与えてくれます。

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