リーディングサイアー

リーディングサイアーについて

リーディングサイアーとは、特定の国、地域、あるいは団体において、1年間に生まれた仔馬の獲得賞金合計に基づいて評価される種牡馬の順位を示す用語です。この評価方式は、主にサラブレッドに関して用いられ、上位に立った種牡馬は特に「首位種牡馬」や「チャンピオンサイアー」（CS）と称されることもあります。通称「LS」と略されるこのランキングは、競馬界での重要な指標の一つとされています。

リーディングブルードメアサイアーとファーストシーズンリーディングサイアー

リーディングサイアーに関連する概念としては、「リーディングブルードメアサイアー」があり、これは母の父（ブロードマイヤーとして）としての順位を示します。こちらは「BMS」と略し、首位を占めた種牡馬を「チャンピオンブルードメアサイアー」や「CBS」とも呼ばれます。また、種牡馬デビューから初年度の成績に特化して評価される「ファーストシーズンリーディングサイアー」は、若い産駒のパフォーマンスを反映し比較が容易です。しかし、早熟な産駒を持つ種牡馬が有利となる側面があります。

ジュヴェナイルサイアーとその特性

さらに「ジュヴェナイルサイアー」は、2歳馬の成績に焦点を当てた順位付けで、特に首位を占める馬には「チャンピオンジュヴェナイルサイアー（CJS）」という称号が与えられます。このように世代を特定してから比較することで、より合理的な評価が行われます。

獲得賞金の格差とその影響

アメリカやヨーロッパにおいては、一部の有力なレースと地方競馬との間で賞金格差が大きいため、単独の成功馬がランキング１位を獲得するという事例が多くあります。例えば、2005年から2014年までのフランスでは、凱旋門賞の勝ち馬の父がリーディングサイアーとなりました。一方、日本でも中央競馬と地方競馬を合わせると、類似の格差が見られますが、中央競馬に限って言えばその格差は50倍程度に過ぎないため、より多くの産駒を持つ種牡馬が有利になることがあります。

実際に2000年、テイエムオペラオーはオペラハウス産駒として10億円以上を稼ぎ出しましたが、オペラハウスは4位、1位は多くの産駒が獲得賞金を重ねたサンデーサイレンスでした。

日本におけるリーディングサイアーの傾向

日本では特定の種牡馬にランキングが偏ることが多く、1950年から1999年の50年間で1位となった産駒は16頭にのぼるのに対し、北米は29頭、イギリスは33頭と多様性に欠ける結果となりました。さらに、2008年以降の16年間は、アグネスタキオンやディープインパクトなどの内国産馬が連続で首位を獲得しました。

2009年から2015年にかけて、日本調教馬が7年連続でリーディングサイアー上位を独占するなど、国内の育成システムの変化が影響を与えていることも注目すべきポイントです。特に、サンデーサイレンス亡き後、彼の直仔が内国種牡馬として力を発揮する流れが見られます。

様々な評価指標

種牡馬の評価はリーディングサイアーだけにとどまらず、勝利数、勝率、平均獲得賞金などさまざまな指標が用いられています。これらは獲得賞金合計に基づくリーディングサイアーとは異なる順位が出ることが多いため、複数の指標からの総合的な評価が求められます。

おもな記録とその意義

リーディングサイアーの記録において、アメリカのレキシントンが最多となる16回、イギリスではサンデーサイレンスが13回の記録を持っています。これらの記録は競馬界において特定の血統や成績を受け継いでいる証しであり、その影響力の大きさを示しています。

このように、リーディングサイアーは競馬の世界において、種牡馬の性能やその影響を計る重要な概念となっています。

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