リーン・イントゥ・イット

MR. BIGの2ndアルバム『リーン・イントゥ・イット』は、1991年にリリースされました。前作から約2年ぶりのオリジナルアルバムであり、彼らのキャリアにおいて非常に重要な作品です。

このアルバムの最大の魅力は、何と言っても全米No.1ヒットを記録した「To Be With You」でしょう。この曲の大成功によって、MR. BIGは世界的な人気を獲得し、その地位を不動のものとしました。また、このアルバムから日本盤のみにボーナス・トラックが収録されるようになりました。

しかし、アルバムに収録された「60'S マインド」と「To Be With You」の2曲は、メンバー間で議論の的となりました。これらのポップな楽曲のヒットは、ブリティッシュハードロックに根ざしたブルージーなロックバンドを目指していた結成当初の構想と、現実との間にギャップを生じさせました。これはバンドにとって、良くも悪くも大きな転換点となりました。

アルバムジャケットには、1895年にフランスのモンパルナス駅で発生した列車事故の写真が使用されています。この印象的なジャケットも、アルバムのイメージを強く印象づける要素の一つです。

2009年には、デビュー20周年を記念して、リマスタリングとボーナス・トラックを追加した「再結成＆ジャパン・ツアー 記念エディション」が日本で再発売されました。さらに2021年には、30周年記念盤がリリースされ、最新リマスター音源や世界初のボーナス・トラック、5.1サラウンド音源などが収録されました。

アルバム収録曲の中でも特に人気が高いのは、以下の楽曲です。

ダディ、ブラザー、ラヴァー、リトルボーイ／Daddy, Brother, Lover, Little Boy (The Electric Drill Song)：ライブでは定番のオープニングナンバー。ギターピックを装着した電気ドリルを使ったパフォーマンスは、彼らの代名詞となっています。
60'S マインド／Green-Tinted Sixties Mind：日本における最初のシングル。印象的なギターリフとメロディが特徴です。
ジャスト・テイク・マイ・ハート／Just Take My Heart：日本の2ndシングル。バラード・ベストアルバム『Deep Cuts』ではリメイクされています。
トゥ・ビー・ウィズ・ユー／To Be With You：2ndシングル収録曲。ライブでは終盤に必ず演奏される、ファンにとって特別な一曲です。

『リーン・イントゥ・イット』は、MR. BIGの代表作として、今もなお多くのファンに愛され続けています。彼らの音楽性を幅広く楽しめる、バラエティに富んだ楽曲が収録された名盤です。30周年記念盤には、貴重な未発表音源や別バージョンも収録されており、ファン必携のアイテムと言えるでしょう。

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