リーヴァイ・ウッドベリー

リーヴァイ・ウッドベリーの生涯と業績

リーヴァイ・ウッドベリー（Levi Woodbury）は、1789年12月22日にニューハンプシャー州フランシスタウンで誕生し、1851年9月4日にポーツマスで死去した政治家兼裁判官です。彼はアメリカ合衆国の歴史の中で重要な役割を果たし、州知事として、また海軍長官や財務長官としての責務を遂行しました。

青年時代

ウッドベリーは、1809年にダートマウス大学を卒業した後、コネチカット州リッチフィールドにある法学大学院で法律を学びました。1812年には、ニューハンプシャー州から弁護士の資格を取得し、法律の道を歩み始めました。彼の法的な基盤が後の政治キャリアに大きな影響を与えたことは言うまでもありません。

議会議員時代

ウッドベリーは1816年から1823年までニューハンプシャー州最高裁判所の判事を務め、その後1823年から1824年には州知事としてリーダーシップを発揮しました。さらに、1825年には州下院の議員に選出され議長も務め、1825年から1831年までの間、アメリカ合衆国上院議員として国政に携わりました。彼はジャクソン派の民主党の一員として、政治的な信頼を築き上げました。

海軍長官時代

1831年、アンドリュー・ジャクソン大統領はウッドベリーをアメリカ海軍長官に任命しました。在任中、彼は海軍の財政政策を策定し、改革を試みました。具体的には、鞭による罰の禁止やアルコールの消費削減などを提案しましたが、それらの施策はほとんど効果を見せませんでした。また、この時期にはアメリカ海軍の存在感を国際的に高める努力も行い、通商の拡張に寄与しようともしました。

財務長官時代

1834年にウッドベリーは財務長官に就任し、マーティン・ヴァン・ビューレン大統領の任期の期間中、約7年間その職にあたりました。彼は特に第二合衆国銀行に関する問題の処理に取り組み、財務収入の回復を実現しました。その上で、1836年には余剰資金の配分を始めたものの、政府資金の引き出しにより金融市場に危機が訪れました。

ウッドベリーは、政府の金融問題は財務省が直接的に関与するものではないと考えていましたが、金融逼迫の問題が深刻化した際にようやく対策を講じました。1837年春に財務省紙幣を発行し、金融市場の救済に動きましたが、この取り組みは時既に遅く、恐慌へと繋がりました。この経済不況は、ウッドベリーが抱えていた財政政策の限界を露呈させる結果となりました。

裁判官時代

財務長官職を離れた後、ウッドベリーは再びアメリカ合衆国上院に戻り、1844年の大統領選挙ではジャクソン派としてジェームズ・ポークを支持しました。ポークが大統領に就任した後、ウッドベリーは連邦最高裁判所の陪席判事に任命され、1851年までその職務を行いました。彼はその年、ポーツマスで亡くなり、同地のハーモニー・グロウヴ墓地に埋葬されました。

ウッドベリーの業績は、財務省の独立国庫制度の創設に影響を与え、現代のアメリカ政府の資金管理において重要な位置を占めています。また、アイオワ州のウッドベリー郡や、アメリカ海軍の艦船にも彼の名が冠されています。

彼の生涯を通じて公共の利益を考慮した政策を推進し、的確な指導力を発揮したウッドベリーの存在は、アメリカの政治史において欠かせないものであると言えるでしょう。

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