リー・セルビー

リー・セルビー（Lee Selby）は、1987年 2月14日にウェールズのバリーで生まれた元プロボクサーです。国際ボクシング連盟（IBF）世界フェザー級王者として知られています。

経歴

セルビーは2008年7月12日、ニューポートのニューポート・センターでプロデビューを果たしました。この最初の試合では6回判定勝ちを収め、順調なスタートを切ります。しかし、2009年5月29日のサミー・モウネミー戦では、4回判定負けを喫し、プロキャリア初の敗戦を経験しました。

その後、セルビーは地域タイトル戦線で頭角を現します。2010年4月27日には、BBBofCウェールズフェザー級王者ダイ・ダビエスに挑戦し、2回1分53秒TKO勝ちを収めて自身初の王座を獲得しました。

2011年もセルビーにとって飛躍の年となります。7月30日にはジェームズ・アンシリフィとBBBofCケルトフェザー級王座決定戦を行い、6回2分12秒TKOで勝利し、王座獲得に成功しました。同年9月17日には、コモンウェルス（英連邦）フェザー級並びにBBBofC英国フェザー級王者スティーブン・スミスと対戦。この強敵から8回2分4秒TKO勝ちを奪い、二つの権威ある王座を手中に収めました。さらに同年12月14日、ジョン・シンプソンを相手に5回2分2秒TKO勝利で、獲得したコモンウェルス及びBBBofC英国王座の初防衛に成功しています。

2012年5月2日にはパトリック・オーキンを5回1分54秒TKOで下し、コモンウェルス王座の2度目の防衛を果たしました。2013年2月9日、ベルファストのオデッセイ・アリーナで行われたマーティン・リンゼイ戦では、3-0の判定勝ちを収め、コモンウェルス王座は3度目、BBBofC英国王座は2度目の防衛に成功しました。同年4月20日にはコーリー・マコーネルを5回1分16秒TKOで退け、コモンウェルス王座の4度目の防衛を果たしました。さらに同日、WBCインターナショナルフェザー級王者ビオネル・シミオンと対戦し、3-0の判定で勝利して新たな王座を獲得しました。同年10月5日、ライアン・ウェルズとの防衛戦では、3-0の判定勝ちを収め、コモンウェルス王座は5度目、BBBofC英国王座は3度目の防衛に成功しています。

2014年2月1日、BBBofC英国王座の防衛戦とEBU欧州フェザー級王座決定戦を兼ねてレンドール・ムンローと対戦。6回1分31秒TKOで勝利し、EBU欧州王座を獲得すると同時に、BBBofC英国王座の4度目の防衛も果たしました。同年5月17日にはロムロ・コアシチャに3-0の判定勝ちを収め、WBCインターナショナル王座の初防衛に成功しています。

着実に実績を積み上げたセルビーは、ついに世界王座への挑戦機会を得ます。2015年2月19日、IBF世界フェザー級王者エフゲニー・グラドビッチとの指名試合交渉が報じられましたが、両陣営の合意により入札は回避されました。試合日は当初の4月25日から5月30日に変更され、ロンドンのO2アリーナでケル・ブルック対フランキー・ギャビンの前座として行われました。グラドビッチ戦は偶然のバッティングによりグラドビッチが負傷し、8回途中で試合続行不可能となります。結果はセルビーの3-0（79-73、79-73、80-72）による負傷判定勝ちとなり、悲願のIBF世界フェザー級王座を獲得しました。同年8月には著名なボクシングマネージャー、アル・ヘイモンと契約を結びます。同年10月14日、アメリカのアリゾナ州グレンデールにて、元世界3階級制覇王者のフェルナンド・モンティエルを相手に初防衛戦を行い、12回3-0（119-109、118-110、116-112）の判定勝ちで王座を守りました。

2016年1月11日、IBFはセルビーに対し、3位のエリック・ハンターとの指名戦を指示しました。同年4月9日、O2アリーナで行われたチャールズ・マーティン対アンソニー・ジョシュアの前座にて、指名挑戦者ハンターと対戦。12回3-0（115-111、116-110×2）の判定勝ちで2度目の防衛に成功しました。

2017年1月28日、ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで、元WBA世界フェザー級王者でIBF1位のジョナサン・ビクター・バロスとの3度目の防衛戦が予定されていましたが、バロスがメディカルテストで不合格となったため中止となりました。同年4月14日、改めて行われた指名戦の入札では、セルビー陣営が60万1000ドルで興行権を落札。約3ヶ月後の7月15日、ロンドンのウェンブリー・アリーナでバロスと対戦し、12回3-0（119-108、117-110×2）の判定勝ちで3度目の防衛を果たしました。同年12月9日、ロンドンのカッパー・ボックスでIBF11位のエデュアルド・ラミレスとの4度目の防衛戦が組まれましたが、前日計量でラミレスが規定体重をオーバーし失格となります。試合はセルビーが勝てば王座防衛、ラミレスが勝っても王座移動はなしという条件で行われ、セルビーが12回3-0（118-110、119-109、116-112）の判定勝ちを収めて4度目の防衛に成功しました。同年12月13日には、フランク・ウォーレンのクィーンズ・ベリープロモーションズと契約し、アル・ヘイモンの元を離れました。

2018年5月19日、リーズのエランド・ロードにて、IBF世界フェザー級1位ジョシュ・ワーリントンと対戦。激しい戦いは判定にもつれ込みましたが、12回1-2（112-116、113-115、115-113）のスプリット判定で敗れ、5度目の防衛に失敗、王座から陥落しました。

王座陥落後、セルビーはライト級への階級変更を試みます。2020年10月31日、ロンドンのウェンブリー・アリーナで、オレクサンドル・ウシク対デレック・チゾラの前座として、IBF世界ライト級挑戦者決定戦でジョージ・カンボソス・ジュニアと対戦しましたが、12回判定負けを喫しました。

キャリア終盤、2022年3月26日にはアルゼンチンでグスタボ・ダニエル・レモスと対戦しましたが、5回TKO負けとなりました。この試合が現役最後のリングとなり、同年4月5日、プロボクサーとしての引退を正式に発表しました。

獲得タイトル

BBBofCウェールズフェザー級王座
BBBofCケルトフェザー級王座
コモンウェルスイギリス連邦フェザー級王座
BBBofC英国フェザー級王座
WBCインターナショナルフェザー級王座
EBU欧州フェザー級王座
* IBF世界フェザー級王座（防衛4）

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