ルイス・アルベルト・ロペス

メキシコが生んだプロボクサー、ルイス・アルベルト・ロペス（Luis Alberto Lopez）は、1993年 8月21日にバハ・カリフォルニア州メヒカリで生まれました。元IBF世界フェザー級王者として、世界の舞台でその名を馳せました。

キャリアの始まり

少年時代はサッカーに熱中しながらも、多くの喧嘩に明け暮れる日々を送っていました。転機となったのは、母親からの勧めです。母親の強い後押しもあり、ボクシングジムの門を叩きました。わずか8ヶ月という短い期間ではありましたが、アマチュアボクシングでリングに上がり、6勝4敗という戦績を残しました。そして22歳を迎えた年、プロボクサーとしてのキャリアをスタートさせます。

プロでの道のり

プロ転向後、ロペスは着実に経験を積み重ねていきました。キャリア初期の重要な一戦として、2019年2月28日に行われたレイ・ヒメネスとのWBOインターナショナルフェザー級王座決定戦があります。この試合は、不慮のバッティングによる負傷判定ながらも、8回終了時のスコアでリードしていたロペスが勝利を収め、自身初のタイトルとなるWBOインターナショナル王座を獲得しました。

しかし、初防衛戦となったルーベン・ヴィラとの対戦（2019年5月10日）では、フルラウンドの戦いの末に判定負けを喫し、王座を手放すこととなります。

その後も精力的に試合をこなし、2021年9月10日にはガブリエル・フローレス・ジュニアに判定で勝利を収めるなど、再起を図りました。そして同年12月3日には、IBF世界フェザー級のタイトル挑戦権を懸けた重要な一戦に臨みます。ランキング上位に位置していたアイザック・ロウを相手に、7回に見事なKO勝利を収め、当時の王者キコ・マルチネスへの挑戦権を獲得しました。この挑戦権獲得に続き、同年12月23日には、世界的なプロモーションであるトップランク社との契約締結を発表し、キャリアはさらに加速しました。

世界王座獲得と防衛

満を持しての世界初挑戦は、2022年12月10日、イギリスのリーズで行われました。相手は地元の英雄であり、IBF世界フェザー級王者のジョシュ・ワーリントンです。激しい打撃戦の末、ロペスは12ラウンドを戦い抜き、2-0の僅差の判定で勝利を収め、念願のIBF世界フェザー級王座を獲得しました。

新王者となったロペスは、精力的に防衛戦を行います。初防衛戦は2023年5月27日、北アイルランドのベルファストで、元WBA暫定王者でIBF5位にランクされていたマイケル・コンランを挑戦者に迎えました。この試合では、ロペスが圧倒的な強さを見せつけ、5回TKOで勝利し、王座の初防衛に成功しました。

2度目の防衛戦は2023年9月15日、アメリカ合衆国テキサス州で行われ、IBF11位のジョエト・ゴンサレスを迎え撃ちました。この試合もフルラウンドに及びましたが、ロペスが終始優位に進め、3-0の明確な判定勝ちで王座を守りました。

3度目の防衛戦は、2024年3月2日、ニューヨーク州にて日本の阿部麗也（IBF1位）を相手に行われました。ロペスは挑戦者の粘り強いボクシングに苦戦する場面も見られましたが、8回に猛攻を仕掛け、TKO勝利を収め、3度目の防衛に成功しました。

王座陥落とその後

4度目の防衛戦は2024年8月10日、ニューメキシコ州で行われました。対戦相手は、元WBO世界スーパーバンタム級王者であり、フェザー級でも上位にランクされていたアンジェロ・レオです。この試合でロペスは苦戦を強いられ、10回に手痛いKO負けを喫し、IBF世界フェザー級王座から陥落しました。

この試合後、ロペスは病院でMRI検査を受けました。その結果、軽度の脳出血が見つかり、医師からは6ヶ月後に再検査を受けるよう指示されたことが報じられています。

戦績とタイトル

アマチュア戦績: 10戦 6勝 4敗
プロ戦績: 34戦 31勝 (18KO) 3敗

獲得タイトル:

WBOインターナショナルフェザー級王座
IBF世界フェザー級王座（防衛3回）

激しいファイトでファンを魅了してきたルイス・アルベルト・ロペス。そのキャリアは、王座獲得、防衛、そして惜しくも王座を失うという波乱に満ちたものでした。健康状態が懸念される中、今後の動向が注目されています。

もう一度検索