ルイス軽機関銃

ルイス軽機関銃

ルイス軽機関銃（Lewis Gun）は、主に第一次世界大戦の頃にイギリスで生産された軽機関銃です。この銃は連合国側で広く用いられただけでなく、第二次世界大戦でも一部で使用されました。ルイス軽機関銃が使用する標準弾薬は.303ブリティッシュ弾（7.7mm）であり、他にもいくつかのバリエーションがあります。

開発の背景

ルイス軽機関銃の原型は、1911年にアメリカ人のサミュエル・マクリーンによって設計されました。後に退役大佐アイザック・ニュートン・ルイスがこの設計を完成させましたが、アメリカ国内では生産するメーカーが現れず、陸軍にも採用されませんでした。その後、ルイスは海外の市場に目を向け、1913年にベルギー陸軍がこの銃を採用しました。翌年にはイギリス陸軍でも採用され、Birmingham Small Arms社によってLewis Gun Mk.1として量産されました。

ルイス軽機関銃の特徴的な弾倉はリブ付きの47発および97発型のパンマガジンです。この弾倉は上部と側面が狭くカバーされており、下から見ると弾倉の中心へ向かって螺旋状に装填された弾薬が見えます。ボルトが後退するたびに、弾倉全体が時計回りに回転し、排莢口から空薬莢が排出されます。

また、この銃は空冷式であり、一見水冷機関銃の冷却水タンクに似た特徴がありますが、これは放熱用のアルミ製冷却筒です。銃身と冷却筒の間には放熱用のリブがあり、射撃時に発生するガスの負圧によって周囲の空気が流入し、冷却効果を高める仕組みになっています。

運用と特徴

ルイス軽機関銃は、複雑な送弾機構や口径の特徴から故障が多く、信頼性は後発の軽機関銃に低いとされました。しかし、軽量であることから第一次世界大戦中にイギリス陸軍、フランス陸軍、アメリカ陸軍でも採用され、アメリカでは弾薬を30-06スプリングフィールドに変更した仕様も生産されました。

この銃は地上用だけでなく、航空機に搭載する用途にも用いられ、第一次世界大戦の際には連合軍の多くの航空隊によって使用されました。特に、偵察機や旋回機銃として搭載された他、プロペラ回転面を通して射撃する機能も備えていました。

しかし、その信頼性の低さから、第一次世界大戦後にはイギリス陸軍は後継機としてブレン軽機関銃に移行しました。第二次世界大戦中は予備兵器として保存されていたものの、戦局の変化により北アフリカ戦線で再び使用されました。

日本における運用

日本は第一次世界大戦中に連合国側であり、英仏からの輸入によりルイス機銃を導入しました。日本海軍では九二式七粍七機銃として使用され、対空機銃や航空機の旋回機銃として広く用いられました。一方で、日本陸軍は独自に似た外観の試製軽量機関銃甲号を開発しました。これはルイス式の放熱筒と皿型弾倉を備えた小型の機関銃でした。

映画やゲームでの登場

ルイス軽機関銃は、様々な映画やゲームに登場しており、特に第一次世界大戦にそれを用いた兵士の描写は多く見られます。たとえば、『アンザックス』や『タイム・オブ・ウォー 戦場の十字架』などでの使用が有名です。また、『スター・ウォーズシリーズ』においては、ストームトルーパーが使用する大型光線銃としても知られています。

結論

このように、ルイス軽機関銃はその独自の設計と戦歴から、軽機関銃の中でも特異な存在感を持つ武器でした。時代を超えてさまざまな用途で使われ、軍事史に名を刻んでいます。

もう一度検索