ルイ・シャルル・ドルレアン (ヌムール公)

生涯

ルイ・シャルル・フィリップ・ラファエル・ドルレアンは、1814年10月25日にパリのパレ・ロワイヤルで誕生しました。父はフランス王ルイ・フィリップ、母は王妃マリー・アメリーです。彼は幼少期から軍人としての道を歩み始め、12歳でシャッスール師団の大佐に任命されました。1830年にはサンテスプリ修道会のシュヴァリエに叙任されています。

1825年頃には、ギリシャ国王の候補者として名前が挙がり、1831年2月にはベルギー国王の候補にもなりました。これは、ベルギー独立革命の際に彼がフランス軍を率いてベルギーに入国し、ネーデルラント連合王国からの分離独立を目指したことが背景にあります。1832年にはアントウェルペン包囲戦で活躍し、その軍事的才能を示しました。

1836年秋にはフランス領アルジェリア平定作戦の一環としてコンスタンティーヌに上陸しました。その後も、1837年と1841年にアルジェリアへ派遣され、現地の戦況に関与しました。

1842年に長兄であるオルレアン公フェルディナンが急逝すると、ルイ・シャルルは幼い甥であるパリ伯フィリップの摂政という重要な役職に就きました。しかし、国民からの支持は得られず、不人気な存在でした。1848年の2月革命により、彼はイギリスへ亡命することになります。

1871年にフランスへ帰国し、翌1872年3月には陸軍士官としての地位を回復しました。退役後も1881年まで赤十字社の総裁を務めるなど、社会活動に尽力しました。パトリス・ド・マクマオン大統領時代には、エリゼ宮に姿を現すこともあったと伝えられています。1896年、ヴェルサイユでその生涯を閉じました。

家族

1840年、ルイ・シャルルはザクセン＝コーブルク＝ゴータ＝コハーリ家出身のヴィクトワール（ヴィクトリア）と結婚しました。この結婚は、彼がヨーロッパの王族と密接な関係を持つことを示しています。また、1843年にはルイ・シャルルの妹クレマンティーヌとヴィクトリアの兄アウグスト公子が結婚し、初代ブルガリア王フェルディナントらをもうけています。

ルイ・シャルルとヴィクトワールの間には、以下の2男2女が誕生しました。

ガストン（1842年 - 1922年）：ウー伯。ブラジル皇女イザベルと結婚。
フェルディナン・フィリップ（1844年 - 1910年）：アランソン公。バイエルン公女ゾフィーと結婚。
マルグリット・アデライード（1846年 - 1893年）：ポーランドのヴワディスワフ・チャルトリスキ公爵と結婚。
ブランシュ（1857年 - 1932年）

参考文献

Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Nemours, Louis Charles Philippe Raphaël, Duc de". Encyclopædia Britannica (英語). Vol. 19 (11th ed.). Cambridge University Press. pp. 370–371.
René Bazin, Le Duc de Nemours (1907)
Paul Thureau-Dangin, Histoire de la monarchie de France (4 vols., 1884, etc.)

関連項目

オルレアン家

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