コンスタンティーヌ

コンスタンティーヌは、アルジェリア北東部に位置する、国内で3番目に大きな都市です。内陸都市としてはアルジェリア最大規模を誇ります。地中海沿岸から約80km南に位置し、コンスタンティーヌ県の県都でもあります。この都市の名前は、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世に由来しています。

コンスタンティーヌは、東部アルジェリアの中心都市として、商業の要所でもあります。アルジェリア国内の他都市や、近隣のチュニジアなどを主な市場としています。また、伝統的なイスラームの学術都市、そして難攻不落の軍事都市という側面も持っています。

歴史

コンスタンティーヌの歴史は古く、新石器時代の遺跡であるブー・ザバウィーン洞窟がその証です。紀元前3世紀にはフェニキア人によってキルタ（Cirta）という都市が建設され、これがコンスタンティーヌの前身となりました。

キルタは、紀元前3世紀頃にヌミディア王国の首都となり、穀倉地帯として繁栄し、アフリカでも有数の豊かな都市となりました。しかし、ヌミディア王国の内紛とローマとの戦争を経て、キルタを含むヌミディア王国は共和政ローマの支配下に入りました。

ユリウス・カエサルの時代には、キルタはローマの植民市となり、北アフリカにおける最も重要な都市の一つとなりました。311年、戦争によって大きな被害を受けたキルタは、313年に再建され、皇帝コンスタンティヌス1世にちなんで「コンスタンティナ・キルテンシウム」と改名されました。

7世紀にはアラブ人に征服されましたが、その後、ピサやジェノヴァ、ヴェネツィアなどとの貿易が盛んになり、12世紀には再び繁栄しました。15世紀にはイベリア半島を追われたユダヤ人を多く受け入れ、アルジェリアの中でも特にユダヤ人の割合が多い都市となりました。

チュニジアのハフス朝の支配を経て、1592年からはオスマン帝国の支配下に入り、コンスタンティーヌは東のベイリク（州）の首都に定められました。18世紀にはサラーフ・ベイの統治下で繁栄を迎えました。

1830年にアルジェがフランス軍に陥落した後も、コンスタンティーヌは抵抗を続けましたが、1837年にフランスに占領されました。フランスの植民地政策により、旧来の住民は周辺地域に追いやられ、ヨーロッパ風の市街地が建設されました。

第二次世界大戦中には、連合軍の戦略拠点となり、1944年にはユダヤ人に対する暴動が発生しました。1943年には、シャルル・ド・ゴールがコンスタンティーヌを訪問し、植民地再開発計画の必要性を訴えました。

地理

コンスタンティーヌは、標高626mの地点に位置し、リュメル川の峡谷の岩丘の上に築かれています。周囲の山地から町に入るには峡谷に架かる複数の吊り橋を渡る必要があり、かつては侵入者を防ぐ役割も担っていました。現在では、吊り橋の一部は舗装され、車道としても利用されています。特に、スィーディー・ラーシド橋は建設当初「世界で最も高い石橋」とされていました。

フランス植民地時代には、旧市街の南西にヨーロッパ人の居住区が設けられ、ダムレモン通りやフランス通り、ナショナル通りなどの新しい街路が建設されました。1870年代から1880年代にかけては、これらの通り沿いの建物がヨーロッパ風に建て替えられました。

気候

コンスタンティーヌの気候に関する詳しい記述は、提供された情報には含まれていません。

人口

2008年の時点では、コンスタンティーヌの人口は448,374人でした。

経済

コンスタンティーヌでは、滝の水力開発を利用した食品工業、機械工業、繊維工業が盛んです。また、皮革や繊維などの伝統的な手工業の中心地でもあります。1972年にはディーゼルモーターやフォークリフトの製造工場が建設されました。市内には金細工の店が多く、銅盆の生産でも知られています。

観光

コンスタンティーヌの観光名所としては、11月1日広場が挙げられます。この広場は、フランス植民地時代からの行政の中心地で、周辺には郵便局、裁判所、劇場などが集まっています。この広場は、かつてはプラス・ド・ラ・ブレシュ（突破口広場）と呼ばれていました。また、市内にはアルジェリアの国民的英雄であるアブド・アルカーディルの墓があります。

文化

コンスタンティーヌは、イスラームの学術都市として知られており、1850年代にはフランス政府公認のマドラサが設置されました。フランス植民地時代にイスラーム教育が制限を受けた後も、いくつかのスーフィー教団が教育活動を続け、チュニジアのザイトゥーナ大学に留学生を派遣していました。1930年代から始まるイスラーム改革主義の指導者であるアブドゥルハミード・イブン・バーディースは、コンスタンティーヌの緑のモスクで教鞭を執っていました。

アルジェリア初のイスラーム大学であるアブド・アルカーディル大学はコンスタンティーヌに建設され、多くのイスラーム学の教師やイマームを輩出しています。また、1969年に創立されたコンスタンティーヌ大学もあります。市内には25000冊の蔵書を有する公営図書館であるコンスタンティーヌ市立図書館があります。

コンスタンティーヌは、伝統的な衣服をまとった人々が多いことでも知られており、特に女性の伝統衣装であるムラーヤは、サラーフ・ベイの喪服に由来すると言われています。また、マールーフと呼ばれる伝統音楽が有名で、中でもシャイフ・レイモンは巧みなリュート演奏で知られています。

交通

コンスタンティーヌには鉄道が通っており、また、町の南西にはモハメド・ブーディアフ国際空港があります。

姉妹都市

コンスタンティーヌは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

イスタンブール（トルコ）
グルノーブル（フランス）
スース（チュニジア）

コンスタンティーヌ出身の著名人

コンスタンティーヌ出身の著名人としては、以下のような人々が挙げられます。

カテブ・ヤシーン（作家）
アリ・サイディ＝シエフ（陸上競技選手）
アブデルマーレク・セラール（政治家、首相）

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