ルイーズ・ド・マリヤック

ルイーズ・ド・マリヤック（1591年8月12日 - 1660年3月15日）は、フランスのカトリック教会の聖人であり、聖ビンセンシオ・ア・パウロと共に愛徳姉妹会を創設したことで知られています。

生い立ちと結婚

ルイーズは、リシュリュー政権下の法務大臣の親戚の私生児として生まれました。幼少期は修道院で教育を受け、信仰心を育みました。修道女になることを志望しましたが、健康上の理由で断念。親戚の勧めで財務大臣秘書のアントワーヌ・ル・グラと結婚し、一男をもうけました。しかし、彼女の心は満たされませんでした。

転機

1623年、聖霊降臨祭の日に教会で祈りを捧げた際、ルイーズは心の平安を得たとされています。しかし、1625年に夫が病死し、息子を抱え経済的な不安に苛まれます。そんな中、司祭のヴァンサン・ド・ポールとの出会いが、彼女の人生を大きく変えることになります。

愛徳姉妹会の創設と活動

ヴァンサン・ド・ポールの指導のもと、ルイーズは貧しい人々への奉仕活動に献身するようになります。1633年、ヴァンサンと共に貧民を救済するための共同体を設立し、賛同する女性たちを集めました。これが、従来の女子修道会とは異なる新しい形態の「愛徳姉妹会」の原型となりました。当時の教会法では修道女の外部での活動は制限されていましたが、彼女たちは貧しい人々の家を訪問し、病人の世話、子供たちの教育など、幅広い活動を行いました。この活動はフランス国内にとどまらず、ヨーロッパ各地に広がり、多くの人々に影響を与えました。

死と列聖

1660年3月15日、ルイーズは息子ミシェルや修道女たちに見守られながら息を引き取りました。彼女の死後、その聖徳が認められ、1920年に列福、1934年には列聖されました。

ルイーズ・ド・マリヤックは、困難な時代に、貧しい人々への愛と奉仕の精神を貫いた女性でした。彼女の残した愛徳姉妹会は、現在も世界中で活動を続けており、その精神は受け継がれています。

参考資料

『ルイーズ・ド・マリヤック』ジュヌビエーブ・ルー、エリザベス・シャルビー著、竹下節子訳、オーギュスト・キュレリー絵、ドン・ボスコ社

関連項目

ヴァンサン・ド・ポール

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