ルイ18世 (フランス王)

ルイ18世（Louis XVIII）

ルイ18世は、1755年11月17日にフランスのヴェルサイユ宮殿で生まれ、1824年9月16日に亡くなったフランスの国王です。彼はブルボン朝の復古王政期に在位し、政治的困難や革命を乗り越えながら国を治めました。彼の生涯を通じて、フランス革命後の複雑な政治状況や彼自身の努力による復位過程が展開されました。以下に彼の生涯を詳しく見ていきます。

生い立ちと初期の人生（1755年 - 1791年）

ルイ・スタニスラス・グザヴィエは、フランス王ルイ15世の王太子であるルイ・フェルディナンとマリー＝ジョゼフ・ド・サクスの間に生まれました。生まれた時点でプロヴァンス伯の称号を受け、王族としての教育を受けます。特に教育係のヴォーギュイヨン公爵の影響を受けましたが、ヴォルテールや他の文学に熱中し、教養を深めたと言われています。

1771年、彼はマリー・ジョゼフィーヌ・ド・サヴォワと結婚しますが、子供は生まれず、その後の彼の家庭生活や宮廷生活は窮屈なものでした。特に兄のルイ16世の影響下で、自身の政治的野心を抑えざるを得ない状況が続いたため、彼は兄嫁マリー・アントワネットに対抗する策謀に心を寄せることが多かったとされます。

亡命生活と政治活動（1791年 - 1814年）

1789年のバスティーユ襲撃以後、ルイはフランスを離れることなくパリに留まりますが、共和国運動が広がり、彼自身の立場は脅かされました。彼は困難な状況の中で、反革命的立場を持ちながらも、他の亡命貴族と組んで欧州の君主たちへの支持を求める活動を展開しました。この時期、彼はルイ17世と名乗ることになりますが、その影響力は次第に薄れていきました。

1796年、プロヴァンス伯はコンデ軍と連携しようとしますが、再び逃亡を余儀なくされます。その後、さまざまな国を転々とする中で、彼はナポレオンと対立しつつも自身の正当な王位を取り戻すために活動を続けました。

復古王政と政治的試練（1814年 - 1824年）

1814年3月、連合軍がパリに入城し、ルイ18世は再び王座に就くことになります。彼はサン＝トゥアン宣言で立憲君主制を約束し、6月には新しい憲章を公布しました。しかし、彼の統治下でのフランスは、内外の緊張や反対派の攻撃にさらされました。

彼はアルトワ伯や亡命貴族に対して妥協を試みるも、支持を失っていくことになります。特にナポレオンがエルバ島を脱出した際、彼は再度国外に逃亡し、ナポレオンの百日天下の間はヘントに避難します。

ワーテルローの戦いの後、ルイ18世は再び王位に就きますが、腑に落ちない状況の中で立憲政治に向けた動きや反発勢力との調整に苦しむこととなりました。彼は穏健派の支持を受け、時には過激派と対抗することも選びますが、体調は悪化しつつあったため、徐々に実権が弱まっていきました。

最期とその後

ルイ18世は1824年に亡くなります。彼の死後、弟のアルトワ伯シャルル10世が王位を継ぐことになりました。ルイ18世は、王政を復活させた最後のフランス君主であり、彼の治世は政治的試練と成功を交えながら、フランス革命の波を乗り越えた重要な時期といえます。彼の生涯は、フランスの歴史における王政復古の象徴として今も語り継がれています。

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