ルクソール熱気球墜落事故

ルクソール熱気球墜落事故

2013年2月26日、エジプトのルクソールで発生した熱気球墜落事故は、多数の犠牲者を出す痛ましい事故となりました。この事故は、熱気球事故として史上最多の死者数を記録し、世界中に衝撃を与えました。

事故の概要

事故は、ルクソール上空で発生しました。熱気球には、各国の観光客20名と操縦士1名が搭乗していました。遊覧飛行を終え、着陸のために高度5メートルまで降下した際、突然ゴンドラ内で火災が発生しました。

火災発生後、気球内の空気が急激に温められ、気球は急上昇を開始。着衣に引火した操縦士がパニックになり飛び降り、重傷を負いました。続いて、高度10メートル付近でイギリス人2名が飛び降りましたが、1名が死亡、1名が重傷を負いました。炎と煙を上げながら上昇する気球から、耐えきれず8名が次々と飛び降り、全員が死亡しました。

ゴンドラの重量が軽くなったことで、気球はさらに急上昇。日本人観光客4名を含む10名を乗せたまま、上空300メートル付近で爆発し、サトウキビ畑へ墜落しました。

最終的に、乗員乗客21名のうち19名（日本人4名、香港人9名、イギリス人2名、フランス人2名、ハンガリー人1名、エジプト人添乗員1名）が死亡。操縦士とイギリス人観光客1名が重傷を負いました。

事故原因の調査

事故後、エジプト政府は独立調査委員会を設置し、事故原因の調査を開始しました。当初、マダウィ民間航空相は再発防止策が確立されるまで気球の運航を停止すると発表しましたが、実際には事故原因が特定されないまま、2013年4月に運航が再開されました。

2014年1月7日、エジプト民間航空局は最終報告書を発表。報告書では、気球バーナーの燃料系統の老朽化による燃料漏れが火災の原因であると結論付けられました。

事故の教訓

ルクソール熱気球墜落事故は、熱気球の安全管理の重要性を改めて認識させる出来事となりました。事故後、各国で熱気球の安全基準が見直され、より安全な運航体制の構築が求められるようになりました。二度とこのような悲惨な事故が起こらないよう、安全対策の徹底が不可欠です。

もう一度検索