添乗員

添乗員とは

添乗員（てんじょういん）とは、日本の旅行業法において「旅行会社の企画旅行に同行して旅程管理業務を行う者」と定義されています。一般的にはツアーコンダクターやツアーエスコートとも呼ばれ、国や旅行会社により名称が異なります。添乗員の主な役割や必要なスキル、さらに資格に関する情報を詳しく解説します。

添乗員の役割

添乗員は、旅行企画を実施する旅行会社に所属し、そのツアーに同行します。旅行中は、スムーズな進行を促すための旅程管理が求められます。具体的には、旅行開始前の予約や手続き、予定通りのサービスを提供できない場合の代替案の手配、集合時刻や場所の指示、参加者の誘導などを行います。

特に海外旅行の場合、語学力が不可欠であり、外国語での案内や調整が求められます。
国内旅行では、観光スポットで旗やのぼりを持ち、団体客を導くことが一般的です。

ただし、運送業界での「添乗」とは異なることも注記が必要です。旅行業における添乗員は、専門的な旅程管理を行います。

法律に基づく業務内容

旅行業法では、旅行会社は企画旅行を円滑に進めるために国土交通省の定める措置を講じる義務があり、これを「旅程管理」と呼びます。旅程管理に従事する者が添乗員となります。具体的には、予約管理やサービス手配、集合場所の指示などが含まれます。

ガイド業務との関連

添乗員が行う業務には、旅行ガイドも含まれることがありますが、基本的には添乗員の本用途ではありません。近年、特にコスト削減のためにガイド無しのツアーが増え、添乗員がガイド的な役割を果たすことが増えています。そのため、顧客対応として観光案内やガイド所作を行うものの、プロのガイドの領域に踏み込むことがあるため、双方の間にギャップや摩擦が生じる場合があります。

資格の必要性

添乗員になるためには、特定の資格が求められます。法令では、18歳以上の者が旅程管理を行うための主任者資格を取得することが定められています。この資格を取得するためには、旅行業界の団体が提供する研修を受講し、実務経験を積む必要があります。この資格は、国内旅行向けと国際旅行向けの2種類が存在します。

また、「サブ添乗員」として勤務する際は、主任者の指導のもとに業務を行うことが求められるため、資格を持たなくても活動できる場合がありますが、航空機や列車を利用する際には独自の判断が求められ、結果的に資格が必要となるケースもあります。

添乗員になるための道

添乗員としてのキャリアを築くための一般的な流れは、以下のようになります。
1. 日本添乗サービス協会等にて専門研修を修了。
2. 資格取得のための職業訓練に参加する。
3. 専門学校や大学の観光学科の履修。
4. 添乗員派遣会社への登録。
5. サブ添乗員として実務経験を積む。

派遣添乗員としての需要は多いため、特に派遣会社でのキャリアが一般的です。旅行会社社員が通常は別業務に従事し、必要に応じて添乗員として活動する形にも変化しています。

働き方と待遇

添乗員の多くは、派遣会社に属して勤務します。待遇としては日給制が一般的であり、ツアー実施日当日のみが報酬支給となることが多く、その待遇は様々です。加えて、資格取得や研修費用は自己負担となっている場合が多く、新入社員や初期となると金銭的な負担が大きくなることがあります。

結論

添乗員という職業は、旅行業界の中で重要な役割を果たし、顧客の快適な旅行をサポートします。求められるスキルや資格、働き方の多様性は、挑戦と期待の両方を与えてくれる魅力的な職業でもあります。

もう一度検索