ルック・アウェイ

ルック・アウェイ (Look Away) の詳細

「ルック・アウェイ」は、アメリカのシカゴというロックバンドが1988年にリリースした楽曲です。この曲は、シカゴのアルバム『シカゴ19』に収録されており、作詞・作曲はアメリカの著名なソングライター、ダイアン・ウォーレンが手掛けました。

このシングルは1988年の9月24日に発売され、瞬く間に全米シングルチャートを駆け上がりました。そして、12月10日にはバンドにとって3曲目となるナンバーワンヒットを達成しました。さらに、1989年の年間チャートでも首位を記録し、多くのファンのハートをつかんだ名曲としての地位を確立しました。この楽曲はシカゴにとって最も成功したシングルとなり、その存在は音楽史に刻まれています。

「ルック・アウェイ」には、シカゴの音楽スタイルの変遷が色濃く表れています。一時期はホーン・セッションをメインとしたソフトロックスタイルが売りでしたが、1980年代中頃からはパワーバラードの路線へと転換を果たしました。この曲は、その典型ともいえる存在であり、かつてのホーン・セッションは姿を消しましたが、ビル・チャンプリンによる力強いリードボーカルが印象に残ります。特筆すべきは、この曲がシカゴにおいて高音ボーカルを使用しない初のナンバーワンヒットである点です。

歌詞の内容は、別れた恋人から新しい恋人ができたという知らせを受け取った男性の複雑な感情を描いています。このストーリーは、ダイアン・ウォーレンの友人が体験した出来事を基にしているとされています。

この楽曲制作にあたって、シカゴのドラマーであるダニー・セラフィンは、マネージャーのハワード・カウフマンから外部ソングライターの起用を提案されました。これにより、ダイアン・ウォーレンとともに、有名なプロデューサーのロン・ネヴィソンが推奨されました。それまでシカゴは一般的に自身の楽曲を作成してきましたが、外部からの協力を受け入れることが新たな成功への道を開いたのです。

実際、この曲はエピック・レコードがチープ・トリックに提供しようとした2曲のバラードの一つであったものの、同バンドは別の楽曲を選んだため、シカゴに渡ることになりました。また、同トラックはヨーロッパでもレコーディングオファーを受けたものの、フロントマンのジョーイ・テンペストが外部ライターが作成した曲の録音を受け入れなかったため、制作には至りませんでした。

「ルック・アウェイ」は、シカゴのキャリアの中で特別な意味を持つ楽曲であり、シングルカットがもたらした商業的成功により、バンドの名声を一段と高める要因となりました。シカゴが持つ音楽の魅力や、ダイアン・ウォーレンの卓越したソングライティング能力が融合したこの楽曲は、今も多くの人々に愛され続けています。

もう一度検索