シカゴ19

アルバム『シカゴ19』の詳細

『シカゴ19』は1988年にリリースされた、アメリカのバンドシカゴによる16枚目のスタジオアルバムです。前作『シカゴ18』ではデイヴィッド・フォスターがプロデュースを担当しましたが、その後、バンドは異なるプロデューサーとのコラボレーションを選択しました。本アルバムではロン・ネヴィソンやチャス・サンドフォードと共に制作を行い、音楽的な幅を広げることを目指しました。また、レコード会社も変わり、フル・ムーン・レコーズがリプライズ・レコーズを通じてこのアルバムをリリースしました。

商業的な成功は限定的でしたが、『シカゴ19』はアルバムチャートで安定した人気を獲得し、後にプラチナアルバムとして認定されました。シングルは特に好調で、「ルック・アウェイ」は第1位、「アイ・ドント・ウォナ・リヴ・ウィズアウト・ユア・ラヴ」は第3位、「ユア・ノット・アロウン」は第10位にランキングされました。さらに、ジェイソン・シェフによるリミックス版の「ホワット・カインド・オヴ・マン・ウッド・アイ・ビー」も第5位に入っています。

本作はビル・チャンプリンに焦点を当てた初めてのアルバムでもあり、ヒットした3曲のボーカルは彼が担当しています。楽曲の多くは外部の作家によって書かれており、特にダイアン・ウォーレンが手掛けた楽曲は商業的に成功を収めました。アルバム収録の「ハート・イン・ピース」や「アイ・ドント・ウォナ・リヴ・ウィズアウト・ユア・ラヴ」などは、かれの独特なスタイルを反映した作品です。

リリース後、バンド内には意見の相違が見られ、1990年にはオリジナルメンバーとして長年在籍していたドラマー、ダニー・セラフィンがバンドを離れることになりました。これが彼にとっての最後のアルバム参加となり、以後はセッション・ドラマーのトリス・インボーデンが加入し、バンドの新たなスタートを切ることになります。

収録曲

『シカゴ19』には、以下の楽曲が収録されています:

1. ハート・イン・ピース - Tim Feehan, Brian MacLeodによる(5:04)
2. アイ・ドント・ウォナ・リヴ・ウィズアウト・ユア・ラヴ - ダイアン・ウォーレン, アルバート・ハモンドによる(3:55)
3. アイ・スタンド・アップ - ロバート・ラム, ジェラード・マクマホンによる(4:06)
4. ウィ・キャン・ラスト・フォーエヴァー - ジェイソン・シェフ, ジョン・デクスターによる(3:45)
5. カム・イン・フロム・ザ・ナイト - ビル・チャンプリン, ブルース・ゲイッチによる(4:43)
6. ルック・アウェイ - ダイアン・ウォーレンによる(4:02)
7. ホワット・カインド・オヴ・マン・ウッド・アイ・ビー - Scheff, Chas Sandford, Bobby Caldwellによる(4:21)
8. ランナラウンド - チャンプリン, シェフによる(4:10)
9. ユア・ノット・アロウン - ジム・スコットによる(3:56)
10. ヴィクトリアス - Marc Jordan, John Capekによる(6:03)

このアルバムはアメリカで42週間チャートにランクインし、最高で37位まで達しましたが、イギリスのチャートには入りませんでした。

未収録曲

いくつかの未収録曲も存在し、例えば「カム・イン・フロム・ザ・ナイト」の別テイクや「ヴィクトリアス」の異なるバージョンがあります。また、オーティス・レディングのカバー曲「アイ・キャント・ターン・ユー・ルース」は収録予定でしたが未収録となりました。他にも「ダンシング・イン・ザ・ストリート」という曲が除外されており、これらはライヴで一部演奏されたことがあります。

メンバー

アルバムにはビル・チャンプリンがキーボードとボーカルを担当し、ロバート・ラム、リー・ラフネイン、ジェイムズ・パンコウ、ウォルター・パラザイダーなどが参加しました。バンドのサウンドの一翼を担ったメンバーや、アシスタントミュージシャンも多く関わっており、音楽的な影響力をより強めています。

これらの要素が重なって、『シカゴ19』はシカゴの音楽史において重要な位置を占めるアルバムとなりました。

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