ルナ15号

ルナ15号について

ルナ15号（ロシア語: Луна-15）は、1969年にソビエト連邦によって打ち上げられた月探索のための無人探査機です。この探査機の目的は、アメリカのアポロ11号に先駆けて月の土壌を地球に持ち帰ることでした。しかし、月面への軟着陸には失敗し、その使命を果たすことができませんでした。

ルナ15号の概要

ルナ15号は、月の土壌（特に月の岩石）を無人で回収することを目指して設計された探査機でした。当時、アポロ11号は有人月面着陸を達成し、月のサンプルを持ち帰ることを予定していましたが、ルナ15号はそのよりも早く成果を上げたいと考えていました。ルナ15号は、アポロ11号の打上げからわずか3日前、つまり1969年7月13日にバイコヌール宇宙基地からプロトンロケットによって打ち上げられました。

探索機は、最初に地球のパーキング軌道に到達し、そこで1周した後、上段ロケットの燃焼により月へと向かいました。7月17日には、ルナ15号は240 x 870 kmの月周回軌道に入り、月面を周回しながらさまざまな観測を行い、軌道を何度も変更しました。

着陸失敗

7月20日、ルナ15号は周回軌道を離れて月面への降下を開始するための逆噴射を行いました。残念ながら、着陸前の減速に失敗し、探査機は時速480kmという非常に高速で月面に衝突してしまいました。この失敗が起こったのは、世界初の有人月面着陸に成功したアポロ11号が、実際に月面に着陸した数時間後のことでした。

その後の展開

ルナ15号による月面探査は、成果を上げることができませんでしたが、これはソ連がその後の宇宙探査において重要な教訓を得る機会となりました。例えば、アポロ11号の成功を受けて、ソ連は同型の探査機ルナ16号を1970年9月に打上げ、その次のサンプルリターンを達成しました。

ルナ15号の試みは、さまざまな宇宙探査の歴史において一つの重要な試練であり、当時の技術の限界や、新たな課題への挑戦として記憶されるべき試みです。ルナ計画全体を通じて、多くの情報とデータが収集されており、これにより人類の宇宙探査に対する理解が深まりました。今後の宇宙探査に向けての基盤を築くための貴重な経験となったのです。

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