ルネ・ハリス

ルネ・レイナルド・ハリス：ナウルの政治を彩った人物

ルネ・レイナルド・ハリス（René Reynaldo Harris、1947年11月11日 - 2008年7月5日）は、ナウルの政治家であり、1999年から2004年の間に4度大統領を務めました。また、1977年から晩年まで国会議員を務め、ナウルの政治に大きな足跡を残しました。

生涯と初期のキャリア

ハリスは1947年11月11日にナウルのアイウォ地区で生まれました。オーストラリアのジーロング大学で中等教育を受けた後、ナウル・リン鉱石会社（NPC）に勤務し、ナウルパシフィックラインのマネージャーを務めました。1977年にアイウォ地区の議員に選出され、政界入りを果たしました。

しかし、最初の任期は短く、暴行事件で有罪判決を受け辞任しました。その後、補欠選挙で再選され、1978年には議会の副議長に選出されました。1986年12月には議会議長に就任し、1992年にはNPCの取締役会会長にも任命されました。

1998年には、親族を警察の拘束から強制的に解放したとして、暴行と脱獄で有罪判決を受けました。また、NPC会長として、メルボルンの高級品や不動産に多額の資金を費やした疑惑も浮上しました。

大統領としての任期

ハリスは1999年4月27日に初めて大統領に就任し、2000年4月20日までその職を務めました。その後、2003年8月15日に再び大統領に選出され、ナウル政府の行き詰まりを打開しました。

彼の政府は、オーストラリアの亡命希望者の受け入れや、ナウルの国連加盟とイギリス連邦への加盟を実現しました。しかし、汚職や人権侵害で批判されることもありました。

ハリスは糖尿病を患っており、メルボルンで定期的な腎臓透析治療を受けていました。2003年12月には国会議事堂で倒れましたが、キーレン・ケケ博士によって救命されました。2004年7月22日、政治的な対立により大統領を追放され、ルドウィグ・スコッティが後任となりました。

大統領職後と論争

2004年後半の議会選挙でスコッティの支持者が過半数を獲得し、ハリスは再び大統領に選出されることはありませんでした。2007年8月25日の議会選挙では、再選された唯一の野党議員となりました。2008年3月には、リン酸塩の粉塵に抗議するデモを扇動したとして政府から非難されました。

ハリスは、キンザ・クロドゥマーとの同盟を通じて、ナウル議会で大きな影響力を行使しました。しかし、2008年4月26日の議会選挙で議席を失い、31年間務めた議員の座から退きました。

死

ハリスは2008年7月4日に心臓発作を起こし、翌朝デニゴムドゥで亡くなりました。60歳という比較的若い年齢でしたが、彼の政治的な世代は、彼より若い世代に取って代わられつつありました。彼の死後、国葬が執り行われ、その功績が讃えられました。

ルネ・レイナルド・ハリスは、ナウルの政治に深く関わり、大統領として、また国会議員として、国の発展に貢献しました。彼の政治手腕やリーダーシップは、今もなお語り継がれています。

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