ルノーサムスン・QM5

QM5（キューエムファイヴ）

QM5は、韓国のルノーサムスン自動車（現・ルノーコリア自動車）が製造するクロスオーバーSUVです。フランスのルノー傘下にあるルノーサムスンは、日産自動車とパートナーシップを結び、両社の技術を活用してこのモデルを生み出しました。その誕生の背景としては、2007年にソウルモーターショーにて発表されたコンセプトカー「QMX」があり、そのデザインやアイデアがQM5の市販化に大きく寄与しています。

歴史とモデルの進化

初期モデル（2007年-2011年）

QM5は2007年12月に発売され、当初は日産・ルノー共同開発のディーゼルエンジンが搭載されました。このモデルはルノーサムスン初のディーゼル車でもあり、米国のBOSE社との共同開発による高品質なオーディオシステムを装備しています。また、ISOFIX対応のリヤシートやカーテンシールドエアバッグ、広い面積のガラスサンルーフなど、安全性や利便性を高める工夫がなされています。

2008年にはガソリンエンジンモデルが追加され、「CITY」や「SPORTY」という新しいバリエーションが生まれました。それに伴い、燃費性能にも配慮され、特に「CITY」モデルは最高171馬力を誇り、11.2km/Lという燃費を実現しました。今年の初めには特別仕様の「ADVENTURE」も登場し、輸出も活発化しました。

中期モデル（2011年-2014年）

2011年には新しいモデルである「NEW QM5」が発表され、外装デザインが一新されました。また、インテリアやエンジン性能も改良され、燃費の向上が図られました。その後も、各種特別仕様車の登場や、環境性能の強化が図られました。

後期モデル（2014年-2016年）

2014年には小改良が行われ、「Neo」というサブネームが追加されました。この改良ではエクステリアに変化が見られ、快適性向上のためのインテリア変更も行われました。

最後のモデルは2016年で、エンジンが2.0Lの「M4R」に一本化され、同年9月にQM6が登場した後は在庫販売のみとなり、11月末には公式サイトから姿を消しました。

車名の由来

「QM5」の名前は、Qが「Quest」（追求）、Mが「Motoring」（ドライブ）を意味し、5は車のクラスを表しています。これにより、車名には追求し続けるドライブというコンセプトが込められています。

メカニズム

QM5には、ルノーと日産共同開発の「M9R」と呼ばれる2.0Lディーゼルエンジンと、日産のQR25DEをベースにしたCVTCガソリンエンジンが搭載されています。動力性能の面では、ディーゼルエンジンの場合は全車マニュアルモード付きの6速ATを採用し、ガソリンエンジンは全車エクストロニックCVTが搭載されています。また、安全性能では、欧州の評価基準であるユーロNCAPにおいて最高評価の☆☆☆☆☆（五つ星）を獲得しており、高い衝突安全性が確保されています。

車内の使い勝手向上にも力が注がれており、リアシートを簡単に倒せる構造になっており、大きな荷物やゴルフバッグなども容易に積載できます。加えて、リアゲートはクラス唯一の上下2分割式で、大きな開口部を持っています。

最後に、QM5はその性能だけでなく、デザインや使い勝手においても非常に完成度の高いクロスオーバーSUVであることを認識しておくべきです。

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