1995年に公開された『
ルパン三世 くたばれ!
ノストラダムス』は、モンキー・パンチによる人気アニメ『
ルパン三世』の劇場版第4作です。物語はアメリカの財閥が隠した
ノストラダムスの予言書を巡る争奪戦を描いています。監督は
伊藤俊也であり、声優は製作中に主役の
山田康雄が亡くなり、栗田貫一がルパン役を引き継ぎました。
キャッチコピーは「今世紀最大の犯行予告」です。
概要
この映画は約10年ぶりに製作された完全新作で、OVA『
ルパン三世 風魔一族の陰謀』以来の新作となります。物語の設定は
1999年であり、現実のイベント(アトランタオリンピックなど)と絡めながら進行します。この作品は湾岸戦争後のアメリカ社会を背景に、新興宗教が引き起こすテロ事件に焦点を当てており、公開当時の
オウム真理教事件と重なる部分があります。
あらすじ
物語は
1999年の始まりからスタートします。地中海で発生した
原子力潜水艦の爆発事故が、
ノストラダムスの予言が実現した証とされ、新興宗教・
ノストラダムス教団の教祖ライズリーが信者たちに啓示します。彼は世界の滅亡を予言し、それから逃れるためには「失われた予言書」に従うよう説く。
ルパン三世はリオデジャネイロでのサンバカーニバルの最中、150万ドルのダイヤを手に入れるが、少女ジュリアに奪われてしまう。その後、旅客機内で
ノストラダムスの予言によるハイジャック事件が発生。機内には
ブラジル代表サッカーチームも乗っており、旅客機は
モロッコに向かう。
ハイジャック犯と対峙したルパンと次元は混乱を利用して逃れ、さらに、ジュリアの身柄を確保するためにダグラス財団へと向かいます。ダグラスは次期大統領候補としての立場を持ち、ジュリアを救うために様々な策略が展開されます。
登場人物
- - ルパン三世: 世界的な怪盗で、ノストラダムスの予言書を手に入れようと奮闘する。
- - 次元大介: ルパンの相棒で射撃の名手。
- - 石川五ェ門: 最強の刀使いであり、ルパンと合流。
- - 峰不二子: ルパン一味の紅一点。時には裏切り、時には助ける存在。
- - 銭形警部: ルパンを追い続けるICPOの捜査官。
- - ジュリア・ダグラス: ダグラス財団の一人娘で、物語の中心となるキャラクター。
評価と影響
本作は、
山田康雄の死後の作品であり、作品自体が彼への追悼の意味も込められています。リアルサウンドのライターは、本作が過小評価される理由を指摘し、アニメーションの魅力を称賛しています。映画としての完成度は高く、特に最終的な争奪戦は観る者を引き付けます。さらに、
スタジオジブリが作画協力を行ったことも注目に値します。
本作は、後日の
ビデオグラムや再放送を通じて、多くのファンに愛されています。また、
ルパン三世シリーズの今後の方向性にも影響を与える作品となりました。